多くのファンが詰めかけた、8月16日の京急将棋まつりの会場で、耳慣れない言葉が響いた。「あっち向いてほいの結果、永瀬叡王の先手番に決まりました」。永瀬拓矢叡王(26)と佐々木勇気七段(25)による席上対局が行われる直前のひとことで、ファンからは大きな笑いが巻き起こった。ここ数年の将棋人気で、関連イベントにもより多くのファンが詰めかけるようになったが、こんな企画があるのもうれしいところだ。
 席上対局は、京急将棋まつりの中でもメインコーナーとも言えるもの。この日は永瀬叡王、佐々木七段という同世代のライバル対決となったが、対局前から親交のある2人ということもあって、軽快なトークで盛り上がっていた。その後、先手・後手を決める時間になったのだが、会場にいた中村修九段(56)から発表された内容は、通常の振り駒ではなく、なんと「あっち向いてホイ」。そもそも、対局前にじゃんけんをすることすら珍しい中、その上を行く「あっち向いてホイ」という決め方に、早速ひと盛り上がりした。