31日にも大規模なデモが予定されている香港でけさ、5年前の民主化デモ「雨傘運動」のリーダー、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏と周庭(アグネス・チョウ)氏の2人が逮捕された。香港メディアは、2人が「逃亡犯条例」改正に反対するデモ隊が6月に警察本部を包囲したことに関わった疑いで逮捕されたと伝えている。
リーダー不在とされる今回の香港デモで、なぜ2人は逮捕されたのか。今月上旬に香港で現地取材した『ニューズウィーク日本版』の長岡義博編集長は次のように話す。
「運動に関わっている他の学生・若者も逮捕されてはいるが、ジョシュアは英語ができ、アグネスは日本語が流暢ということで、外国へのスポークスパーソン的な役割を担っていた。リーダー無き運動の中でも目立つ存在ということで逮捕されたのだと思う。容疑は6月に警察を包囲したという古いもので、このタイミングでの拘束は31日に予定されている大規模デモの機先を制する意味があるのでは」
また、2人の逮捕によって31日のデモがより加熱する可能性があると長岡氏は指摘。「そこまで考えると、香港政府や香港警察があえて過激化させようとしているのではないかとみることもできる。香港は9月から新学期に入るが、実際にデモを見てきた中で、年齢層は幅広いがやはり若い人が多い。学生が新学期になるタイミングで運動のエネルギーを全て吐き出させて、9月からは運動を沈静化させたいという狙いもあるのでは。明日のデモがどうなるか」とした。
では、2人の逮捕に中国は絡んでいるのか。長岡氏は「直接的には香港警察、その背後には香港政府がいるが、彼らが中国政府のことを意識しているのは間違いない」との見方を示した。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)






