進次郎氏の入閣は?幹事長は?”ポスト安倍”を占う内閣改造の行方を予想
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 「政治の継続性、安定性も注視しつつ、同時に気持ちも新たに様々な課題に果敢に挑戦していく。そのためにも来週、内閣改造を行いたいと考えている」「与党は老荘青、人材の宝庫だからよく検討を行い、安定と挑戦の強力な布を整えたいと考えている」。安倍総理は自民党の役員人事と内閣改造を来週11日に行うことを表明した。

 そこで2日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、テレビ朝日政治部長の足立直紀氏とともに次の内閣の顔ぶれについて考えた。

■夏野剛氏「”キッチリ乗り切る内閣”を」

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 まず、現内閣の評価について、慶應大学特別招聘教授の夏野剛氏は「麻生さんは内閣の要として財務大臣を長くやってきた。河野外務大臣は英語も交渉もできて素晴らしいプレゼンスを見せている。山下法務大臣も法律の知識がものすごく、ピカイチだ。世耕経済産業大臣が新しい施策に取り組むので、省内は活性化している。今回も強い、きちんと実務ができる人で揃えてほしいと思う。ただ、ずっとやらせるわけにはいかないし、どんなに能力がなくても5回も当選すれば民意があるとみなされ、大臣に就けてやらなければいけない。そういう人が自民党内で山程待っている。それが民主主義の難しさだ。逆に言えば、大臣に向いている人じゃないとダメだよね、という感覚で選挙に行かなければいけない。また、大臣が変わると省内の空気は一変するし、数か月経てば結果が出てくる。大臣が関心を示す政策であれば官僚は一生懸命取り組むから進むが、そうでも無さそうな案件は消えていく。だから内閣府ではITに強い平井卓也内閣特命大臣がいるうちにと、しゃかりきになって政策をまとめている」と指摘。

 次は"キッチリ乗り切る内閣"だとし、「来月には消費増税が行われるが、ポイント制もさっぱり分からないし、かなり混乱を招くと思う。そもそも軽減税率もめちゃくちゃだ。なぜ新聞が軽減税率の対象になるのか誰も説明できないし、新聞社とくっついているからテレビ局も取り上げない。外交も日韓関係が大変なことになっているが、野党はめちゃくちゃなことを言っている。これは河野大臣でないと結構きついのではないか。また、経済がいい状態にあるとはいえ、来年のオリンピック後に景気が冷める可能性があるので、これもどう乗り切るか問われている。また、人口減少待ったなしだが、安倍総理から次の総理になれば不安定な政権になるはずで、それから10年くらいは過激な改革ができる政権にはならないと思う。だから単に若さや女性だという定性的なものではなくて、本当にその人が向いているのかを見きわめて起用してほしいと思う」と注文をつけた。

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 タレントの池澤あやかは「今の内閣には多様性がなさすぎると思う。女性や才能のある若手を増やすべきだ」、弁護士の亀石倫子氏は「安倍総理の言う通り、自民党は人材の宝庫だとは思うが、パソコン使ったことの無い方がIT担当大臣になるなど、本当に適材適所だったとは思えない閣僚人事もある。やはり派閥の力関係や、ポストを待っている人がいるからということで決まってしまっている。次の内閣は"女性多め"が望ましい。同性婚や選択的夫婦別姓に賛成の立場でいらっしゃったり、男性の育休を推進する議連を発足させていたりして、家族の問題についてリベラルな考えを持っていらっしゃる野田聖子さんなど、そういう方に多く入ってもらえばと変わると思う」と述べた。

■"次はアンタだ!内閣"になる可能性も

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 こうした意見を受け、テレビ朝日の足立直紀政治部長は「骨格を変えてこなかったことが現政権の強みだが、今回は若手をチャレンジングに入れていきたいと総理が言っている。女性活躍については、今回は片山さつき地方創生大臣だけだが、それまでは2~3人は入れてきた。どちらかといえば自民党は女性議員の比率が少ないので、人材を使い果たしてしまった、という側面もある」と説明。

 その上で、「次は"安定と挑戦内閣"だと思う。"政治の継続性や安定性を重視していく"ということと、新しい人材によって課題に挑戦していくことの2つを両立させようということで、安倍総理がこの通りのネーミングをするかもしれないと思っている。ただ、河野外務大臣については、英語もペラペラで、ハイペースで飛び回って外交日程をこなしている。その能力の高さを買う声はあるが、韓国大使を呼びつけて"無礼だ"と言った。あれは政府与党内でも賛否両論で、留任か否か、両方の意見がある。もし交代となれば、意欲を示しているのが茂木敏充特命担当大臣だ。日米貿易交渉では自動車分野などでやり残した点もあるが、9月に合意するという運びまで段取りをつけたので、その功績で外務大臣起用、という見方もある。本人は何年も前から外務大臣をやりたくてしょうがなかったので、その念願が叶うかもしれない。もう一つ、"次はアンタだ!内閣"になる可能性もある。自民党総裁の任期も残り2年という中、そろそろ"ポスト安倍"を育てないといけない。党も含めて次を育てていくことに力を入れていくと思うので、それがどう反映されるかだ。安倍総理は、特に当選同期でもある岸田さんをなんとかしてあげたいと思っている。外務大臣として長年頑張ってくれたし、今も政調会長として活躍してくれている。参院選では地元・広島で系列の議員を落としてしまったので今はちょっと凹んでいるが、なんとか"ポスト安倍"の候補に持ち上げたいという思いもある。二階さんが外されれば幹事長だが、そうでなければ政調会長で留任してもらうか、党の憲法改正推進本部長で頑張ってくれとお願いする可能性もある。現任の下村博文本部長では自分の思いを語りすぎ、野党が審議に出てこない一因を作ってしまっているので、リベラルだし、野党と話ができる岸田さんを組み込むということだ。もう1人のポスト安倍候補は菅さんだが、"令和おじさん"として人気が急上昇しているものの、内閣の要として官房長官でステイなのは間違いない。また、石破さんについては安倍さんとの仲がいまだに悪い。全国の有権者の支持はそこそこだが、党内の支持が得られないし、安倍総理としては石破さんだけには後任になってほしくない。本人は派閥の長でもあり、空気的には手を挙げなければいけないが、石破派以外に誰が応援してくれるのかという状況もあり、総裁選でも勝ち目がないと思って悩んでいる」。

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 安倍総理が言う「老荘青」のうち、"青"の急先鋒といえば、先日結婚したばかりの小泉進次郎衆議院議員。育休取得の意向も示していたが、入閣について問われると「それは自分の思いどうこうではないし、決めるのは総理だ」とコメント。一方、ベテランの二階俊博幹事長は望ましい内閣の陣容について「内外円満な党の運営、国会の運営、これを念頭に入れて行うことが大事だと思っているが、おそらく総理はそのようなことを念頭に、しっかりと対応されるだろうというふうに期待している」と話して言える。

 足立氏は「小泉進次郎さんの人事予測が最も難しい。安倍さんが何らかのポストで処遇しようと考えているのは間違いないと思うが、それが閣内なのか、別の所で頑張らせるのかが伝わってきてない。育休期間中は閣僚の仕事ができるのか疑問視されてもいるし、副大臣もやっていないのに、一足飛びに大臣になれるのかという疑問もある。また、テレビからも議員たちからも引っ張りだこだが、国会質問やテレビでの討論もしていないので、耐えられるのかという疑問もある。その意味では、一皮むける必要があるのではないかという声はある。可能性としては、力を入れようとしている社会保障改革の分野で大臣ポストを作ろうとしているので、そこに抜擢されるか、内閣府の担当大臣ではないか。あるいはもうちょっと下積みをしろということで、厚生労働や農林水産の副大臣をやらせるのか、官房副長官ということで政府に入る可能性もある。また、党で下積みをして、国会対策で野党と渡り合う経験をした方がいいのではないかという意見もある」と推測。

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 また、二階幹事長については「残留するかしないのかで全体像が大きく変わってくる。80歳という高齢であることが不安視されるが、"魔の3回生"などが色々なことをやらかしてもなんだかんだ収まっているのは二階さんの腕力のおかげだし、選挙でもずっと勝ち続けている。ここで交代させる理由がないし、外してしまうことでタガが外れ、色々なことが起きてしまうのではないかと心配されてもいる。"安定か挑戦か"で言えば、二階さんは安定の方に入るのではないか。ただ、やはり幹事長ポストには"ポスト安倍"となる人を入れた方がいいのではないかということで、総理は迷っている。今の状況でいくと二階さん留任が6、7割、残り3割が岸田さんにバトンタッチだ」との見方を示した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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