8月31日のK-1 KRUSH FIGHT後楽園ホール大会で、クルーザー級王座決定トーナメントの決勝戦が行われた。新設されたタイトルをかけて対戦したのはK-JeeとRUI。KO率の高いトーナメントを勝ち上がってきた両者は、実は地元・九州にいた頃からの友人。練習も遊びも一緒に過ごした仲だ。
そんな2人が東京で実力を高め、タイトルマッチで対戦するのだからドラマチックだが、勝負に感傷を持ち込むわけにはいかない。RUIは「相手の目を見ないようにしていました」と言う。目を見たら非情に徹しきれないと思ったからだ。
1Rから近い距離で打撃を繰り出し合う両者。RUIはミドルキックを飛ばし、J-Jeeはパンチとロー。ラウンド終盤には激しいパンチの打ち合いも。一進一退の攻防は2Rも続く。ペースの奪い合いの中、K-JeeのパンチがヒットしてRUIがダウン。立ち上がって反撃を試みるRUIだったが、そこへK-Jeeは渾身の左右フックをまとめ、重量級らしいKO決着でベルトを巻いた。
8.24K-1大阪大会では愛鷹亮が世界王者シナ・カリミアンを見事な失神KOで下しているが、このトーナメントでは1回戦でRUIが愛鷹に勝利している。そしてそのRUIにK-Jeeが勝ち、クルーザー級戦線の行方は混沌としてきた。
試合後のK-Jeeは「いま九州ではいい選手が育っています」と福岡でのK-1開催をアピール。さらにこの試合を会場で見守った愛鷹に対して「この前の1発は痺れた」と語りかけると「1勝1敗なので決着を」と宣戦布告まで飛び出した。
自分の成長とクルーザー級の成長を併せて見てほしいとK-Jeeは言う。もともと、このクルーザー級トーナメントは重量級の底上げを狙って開催されたもの。K-1での愛鷹の勝利を含め、期待通りの流れになってきたと言っていい。
文・橋本宗洋