「ヤフーさんとZOZOは資本業務提携することとなりました。また、このタイミングで僕は代表取締役を辞任し、新社長に今後のZOZOを託し、僕自身は新たな道へ進みます」
ZOZOの前澤友作社長は12日朝、Twitterでヤフーとの資本業務提携の発表と同時に社長を辞任することを明らかにした。
突然の辞任発表に街からは、「びっくりですね。結構勢いがあったところだと思うので。これからまだまだ成長できたと思うのでもったいない」「すごいなと思いました。前澤さんのやることビッグだなと思いますね」「(ZOZOで買い物は)めちゃくちゃしています。月に40万くらい使ったり。(前澤社長辞任で)良い意味で進化していくのかなって」との声が上がる。
ヤフーは来月上旬にも株式公開買付(TOB)を始めると発表。買収額は4000億円にも上る。前澤社長はZOZO株式の約37%を保有しているが、そのうち8割以上を売却するという。ヤフーはZOZOを傘下におさめることで、インターネット通販で先行するAmazonや楽天に対抗したい考えだ。
ZOZO創業者の前澤社長は、一代で時価総額が一時1兆円を超える大企業に成長させた。プライベートでも、宇宙ベンチャー「スペースX」の事業で2023年に民間人として初めての月旅行を目指すことを発表。さらに、プロ野球球団保有の意向を示したことなどが大きな話題となった。
しかし、ここ最近は「ZOZO離れ」が話題に。ユナイテッドアローズやミキハウスが徹底するなど、出店店舗が離れていく事態になっていた。ファッションジャーナリストでkumikom代表の松下久美氏は今回のTOBを次のように分析する。
「売り上げ的にはそれほど下がっていないし、利益率・購入者数は下がっていたが、それよりも下がっていたのは株価。そこが一番のポイントだったかなと」
また、前澤社長とソフトバンクグループの孫正義会長の関係性をあげ、「もともとヤフーの親会社のソフトバンクの孫さんと前澤さんがビジネスを通じてや個人的に交流があって、尊敬もされているし、一緒に働くなら孫さんの下で働きたいと。誰かの下で働くなら孫さんの下でというようなことも公言されていた」と説明した。
では、ヤフーとZOZOは今後どのような道に進むのか。「ヤフーにとってはこれからPayPayモールを活用した物販だったりプラットフォームを作ろうとする中で、ファッション業界のユーザーを抱えているZOZOTOWNをグループに入れるということはすごくシナジー効果がある。ZOZOTOWNは30代が中心で、若年層に強い。年齢的なところだったり、客層の拡大は相乗効果が見込める。しかもPayPayをZOZOTOWNで使ってもらえたら一石二鳥・三鳥ということになる」との見方を示した。
なお、前澤社長はきょう午後5時30分から会見を開き、AbemaTV『AbemaNewsチャンネル』ではその模様を生中継する。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)