卸売市場を“リノベーション”し新旧共存する食の拠点に “開かれた場所”で老舗店舗も新たな挑戦
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 インターネット取引の発達などで、年々数が減少する卸売市場。その新たな活用策として注目を集めそうな施設が横浜でオープンした。市場そのものだけでなく、関係者も新たな挑戦を始めている。

 「(目利きには)自信っていう自信じゃないんですけどね。40年やってますから」

 新鮮な魚を待つ客のため、朝から市場を奔走する横浜市の鮮魚店「浜光水産」の我妻隆志さん。鮮魚一筋40年だが、この日は“新しい一日”の始まりの朝だった。

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 今月20日、我妻さんの主戦場である市場の隣にオープンしたのは「ブランチ横浜南部市場」。飲食店や薬局、家電量販店などの新しい店舗と我妻さんらが切り盛りする老舗の店舗が共存する、ユニークな形態の複合型商業施設だ。

 1973年に開設された、横浜市中央卸市場「南部市場」。商業施設は、この市場の一角で運営されている。横浜南部市場は高度経済成長期に伴う生鮮品需要の高まりを受けて開設されたが、近年はネット上での取引が急速に発達。全国的に卸売市場での生鮮品取扱量は減少し、市場の廃止や再編の動きが進んだ。

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 この傾向は横浜南部市場も例外ではなく、取扱金額は最盛期の4割まで減少していた。市場のあり方の見直しが迫られる中、南部市場は2015年に別の市場と統合された。

 新たな活用策として横浜市が出した結論は、市場の強みを生かした商業施設の新設。「食」をきっかけに「にぎわい」が生まれる新たな拠点に期待を寄せる。

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 「今も市場の機能が近接してあるのはなかなかないことなので、その歴史を活かしていきたいと思っています。『食』というと皆さんが集まる、国内外、外国のお客様にも来ていただけるような施設にしていきたい」(横浜市南部市場活用課・卯都木優子課長)

 市場が持つ「加工・物流機能」は維持しており、事業者側にとっては物流コストの大幅な削減や新鮮な食材をいち早く提供できることが大きなメリットだ。一方、これまで飲食店や市場関係者が商売相手だった老舗の店舗は、“開かれた場所”に変わることが求められる。

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 「もともと一般の主婦を相手にする仕事ではないので。でも、そういう声(一般向けのニーズ)が多ければ変えていかないと。普段も“切り身”は並べていないんですよ。ガッカリさせないようにしないといけない」(我妻さん)

 老舗店舗は一般の人も利用しやすいよう営業時間を延長するほか、こうした施設の誕生で減少傾向にある卸売市場を今後どう生かすべきかを議論するきっかけにもなりそうだ。消費者との距離を縮めながら市場が持つ強みをどうアピールしていくかが、卸売市場の“新たな活用策”のカギを握ることになる。

(AbemaTV/『AbemaMorning』より)

【映像】オープンしたブランチ横浜南部市場

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