プロ野球・巨人の阿部慎之助選手(40)が25日、都内で引退会見を行い球団とファンに感謝を述べると「荷が下りたが、辞めるのが恩返しではない」と率直な思いを語った。
引退を決めたタイミングについては「22日(日)に行われた神宮の初戦に監督と話す機会があり、互いに思っていることが一致したので、そこで」と淡々と切り出すと「監督の意向を聞いて、自分も同じことを思った。僕の将来のことを、僕が思っている以上に原監督が考えていてくださったので、そこで納得できた」と話した。
引退決断直後については「とりあえず家族に伝えた。ビックリしていたが、子どもたちはピンと来ていなかったのか……今年で野球を辞めるねと話したら、『じゃあ、来年野球を観に行きたいときはどうするの』と言われたので『パパはいないんだけどね』」というやり取りも明かした。
さらに阿部は「妻もそうだし、僕の兄弟だったり、本当に肩身の狭い思いをさせてしまった。子どもたちには阿部慎之助の子どもというプレッシャーをかけていたという思いはあった。去年一昨年くらいからは僕がプロ野球選手であることは理解していて、『パパは何で打てないんだ』と言っていただいて、僕が奮起できた部分もあるので感謝している」と続けた。
「優勝もしたし、節目の400号も打てた。一番は坂本がキャプテンになって優勝も出来たので決断したところもある」
引退についてさらに本音を明かした阿部は、13年間共に戦い、3連覇を二度、今シーズンは5年ぶりの優勝を果たした原監督について「原さんがいなかったらここまでなっていなかった。ルーキーで何も知らない僕を開幕スタメンに使ってくれて、もちろん、それを承諾していただいた長嶋監督にも頭が上がらない」と振り返ると、「だからこそ、辞めるのが恩返しではない。今後、何らかの形でジャイアンツに恩返しができれば」と今後の関係について含みを持たせた。
阿部は2007年から2014年まで主将を務め、チームの精神的な支柱としても活躍。2015年からは一塁手に転向したが、その打撃と存在感はチームに欠かせないピースだった。
■阿部慎之助(あべ・しんのすけ)/1979年生まれ、千葉県浦安市出身。安田学園高(東京)から中央大へ進学後、2000年に巨人から1位指名を受けてプロ野球界へ。「強打の捕手」として2010年には44本塁打、さらに新人から昨シーズンまで18年連続となる2桁本塁打を記録。2012年には打率3割4分、打点104で首位打者と打点王の2冠。さらに2017年にはプロ野球史上49人目となる通算2000安打、今年6月には通算400本塁打を達成。ベストナイン9度、ゴールデングラブ賞4度。187センチ、97キロ。右投げ左打ち
【中継映像】巨人阿部、ノーカット引退会見
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