「なぜ、ライター風情が、偉そうに講演?」と、疑問に思うかも知れない。改めて自己紹介をしよう。わたしは元々、キリングセンスというコンビ名でコントをしていた。
1987年にデビューしてから、2006年に解散するまで、およそ20年にもおよぶ活動で、自慢のできる活躍はないが、あることで世間を騒がせた。2000年に、日本人で初めて肝臓と腎臓の同時移植を成功させたのだ。それもアメリカへ渡航しての臓器移植であった。この体験から、これまでに数々のテレビにも出演している。
『奇跡体験!アンビリバボー』(フジテレビ)、『24時間テレビ』(日本テレビ)、『爆報!THEフライデー』(TBS)等々である。しかし、悲しいのは、このどれもお笑い芸人としてネタを演じたわけではないことだ。臓器移植の体験を主軸としたドキュメンタリーである。
わたしは今でもタイタンというお笑い事務所に所属しているが、後輩芸人からは“生き様爆弾”とか、“不幸の親分”と呼ばれている。とまあ、そんな体験があって移植の講演会に呼ばれることがあるのだ。
わたしのプロフィールには、こう書かれている。「1967年生まれの臓器移植芸人兼ライター」と。元お笑い芸人で、臓器移植の語り部であるわたしは、臓器移植芸人という新ジャンルを切り拓いた。世界初である。今回の福島講演でも、講演依頼書には、「講演内容:移植者の立場から(お笑い含め)」と、かなりハードルの高いものであった。
この画像は、パワーポイントのスライドの1枚である。実はわたし、臓器移植を2回受けている。アメリカでの肝臓と腎臓の同時移植が2000年のことだ。その後、移植した腎臓がダメになってしまい、2015年には奥さんから国内で生体腎臓移植を受けた。
腎臓移植がおもしろいのは、元あった腎臓を摘出せずに、新たに腎臓を増やすことである。これまで二度の腎臓移植を受けた。つまりわたしの体には、腎臓が4つもあるのだ。子供の頃、キカイダーというヒーローがいた。人造人間キカイダー。まさかわたしも、違った形で腎臓人間になるとは思わなかった。と、これはそんな小ネタのスライドである。
この日は福島での講演とあって、日帰りも可能であったが、福島の友人が訪ねてくれたので一泊することにした。宿泊したのは福島市内から電車で30分の場所にある、飯坂温泉。おいしいご飯を食べて、温泉に入れば、後はノンビリするだけ。講演会には妻も同伴することもあるが、この日はひとり。夜遊びしようにも寂びれた温泉街で、ましてや台風15号が接近しており雨。
こんな夜こそ、ミッドナイト競輪があるじゃないか。競輪には旅打ちというものがあるらしい。日本全国の競輪場を旅しながら巡り、競輪ざんまいの日々をすごすそうだ。そんな贅沢はできないが、旅先の夜にミッドナイト競輪を楽しめば、プチ旅打ち気分を味わえる。
この日の勝負、結果としては負けた。収支はマイナス1320ptである。しかしである。温泉につかって、競輪で遊ぶという贅沢は、満足度の収支においては、プラスなのだ。12月には講演会で広島へ行く。前乗りを含めれば、数泊する予定なので、いまからプチ旅打ちが楽しみである。
もちろん真剣勝負である。旅行気分で遊ぶつもりはない。福島の旅費代を稼いで帰るつもりだったのだが、――夢、それははかない。
文・写真:ハギワラマサヒト
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■購入車券
【ワイド】
1=3(1.2~1.4倍) 400pt
■結果
【ワイド】
1=3 120円
■この日の収支
-1320pt