(笑顔を浮かべて、ONE本戦出場への想いを語ったSARAMI ©MMAPLNAET)

 今週末に迫ったONEマーシャルアーツ・ファンフェス内で開催されるONE Warrior Seriesに出場する日本人4選手をピックアップ、その意気込みとこの大会後に見つめる光景について紹介したい。第2回は今大会出場選手の中でスバ抜けた経験を誇るSARAMIにONE本戦出場に賭ける気持ちを聞いた。

 人材発掘&養成大会のOEN Warrior Seriesに出場する選手は、その大会の性格上キャリアの少ない選手が多い。リッチ・フランクリンに可能性を見出され経験を積むという題目の下、ふるいに掛けられる場なのだから、それも当然だ。

 今大会で組まれた15試合中、11試合を占めるMMAマッチに出場する選手の平均試合経験数は7.86戦。これも日本と韓国というプロのMMAプロモーションが複数存在する二カ国の選手の平均経験値9.6試合があっての数字だ。その他のアジア勢、そしてアジア在住の非アジア人出場選手の平均の経験値は4.8試合でしかない。

 そんな中にあってSARAMIのキャリア24戦は群を抜いて多い。2012年7月にJEWELSでデビューを果たすと、キャリア9戦目には韓国のRoad FCに遠征し、美少女ファイターのソン・ガヨンと7千人の観衆の前で戦い勝利している。その後もロードFCやグアムで活動していたPXCでも戦ってきた彼女は、今も強い海外志向を持っている。そんなSARAMIにとって近年の目標はONE Championshipで戦うことだった。

 ただし、彼女は11度の敗北も経験しており、決して綺麗なレコードの持ち主ではない。敗北が多いのは現在ONE本戦で活躍中の山口V.V芽生を始めとする国内トップ選手と凌ぎを削り合ってきたことが要因となっている。それゆえに国内を見渡すと、一通りの選手と顔を合わせており、選手生活の主軸としてきたJEWELSの現在のアトム級王者とは、既に3度戦い全てで勝利している。

 今さら、そのベルトを獲るという気持ちが希薄なのも納得できる。かといってONE本戦が難しい状況で、ターゲットは自然とONEへの登竜門であるウォリアーシリーズに向けられた。今年の6月に初めてウォリアーシリーズで戦い、ブラジル人のミシェレ・ペヘイラを2R2分56秒、腕十字で下した。ただし、この勝利で彼女の気持ちが晴れるわけではない。

「ONEの本戦に出ている選手を見ても、私の方が強い。そう思う選手はいくらでもいます」

 SARAMIは包み隠さず、胸の内を言葉にした。「だから10月5日に良い勝ち方、良い試合をして自分の力を認めてもらい、ONE本戦に進みたいと思っています。ウォリアーシリーズは次で最後です」とも。

 対戦相手キム・ソユルは3勝1敗ながら、同じく今大会で戦う鈴木祐子のテイクダウンを切り、スピードの乗った打撃で圧倒、判定勝ちを収めている。「確かにパンチは鋭そうではありました。それにウォリアーシリーズには私のようにONEに出たくても機会がなくて、ここに挑む選手もいるし侮ることはないです。でも、勝って本戦に行くことしか考えていないです」とSARAMI。

 最近では所属するパンクラスイズム横浜だけでなく、出稽古で揉まれ「自分で考えて戦える」力を養ってきたと自信ものぞかせる。全てはウォリアーシリーズで勝つためでなく、ONE本戦で勝ち名乗りを受けるためだ。

(C)AbemaTV

▶視聴予約:5日13時~ 「ONE WARRIOR SERIES 8 日本大会」

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