内藤頌貴、「“アニキに続け”という気持ちは一切ない」 修斗の地位向上のために勝利を
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 5日と6日にベルサール渋谷ガーデンで開かれるONEマーシャルアーツ・ファンフェス。その初日内で行われるONE Warrior Seriesに日本人4選手が出場する。各選手の意気込みとこの大会後に見つめる光景について紹介したい。最後の1人は2度のONE世界ストロー級チャンピオン内藤のび太を兄に持つ内藤頌貴だ。

 修斗フライ級で戦う内藤頌貴(のぶたか)にとって、実はONEチャンピオンシップという舞台は近しい存在だ。6歳上の兄は修斗世界ストロー級王者から、ONEに転じて既にONE世界ストロー級王者に2度就いている内藤のび太こと、内藤禎貴(よしたか)だ。

 引きこもりの過去、未だに続く対人恐怖症気味な性格の持ち主で、非常に個性的な兄を持つ内藤は、その兄のONEでの試合には常に帯同しセコンドとして支え続けてきた。と同時にONE特有のドライアウト(半身浴やサウナ等を使い、徹底的に汗をかいて水分を抜き、体重を落とすこと。過度の水抜きを行うと脱水症状を起こし、過去に死に至ったケースもある)を禁じ、尿酸値を図ることで、世界の趨勢になっている階級よりも実質1階級上の体重で戦うことになる減量に関して自ら経験値はないが、兄と行動を共にしてきたことで知識を備えている。

 ここまでONEに慣れている内藤だが、ウォリアーシリーズ出場は現時点でこの1大会限りのワイルドカード的な契約だ。「正直、ずっと修斗で戦うつもりだったので、ここでウォリアーシリーズに出ることは考えていませんでした。ただ、これまで経験したことのない外国人選手と戦えるというオファーだったので受けました。外国人選手のフィジカルを体感してみたかったので」と話す内藤の対戦相手アレックス・シルドは、タイ在住の米国人ファイターで望み通りフィジカルの強い選手だ。

 プーケットのタイガームエタイで打撃の修得に励むシルドだが、レスリングに柔術を融合したグラップリングが最大の持ち味。言ってみればシルドは兄のび太と同様に組んでテイクダウン→寝技勝負というファイターであるのに対し、鋭い打撃を武器に殴って倒す戦いが内藤頌貴の信条だ。

 それゆえにフィジカルの強いシルドのテイクダウン狙いは厄介になるが、内藤は「そこも含めて外国人選手と戦ってみたかったので。組んでみて、『オォ!!』ってビビってしまうほどの力の持ち主かもしれない。そこが不安でもあるけど、楽しみなんです」と、その時が来るのが楽しみでならないような表情で語っていた。

 ウォリアーズシリーズ出場はMMAファイターとして経験値を上げ、さらに高みを目指すため。「もちろん、プロとして内藤頌貴をまた使いたいとONEの人に思ってもらうような試合をすることが大切です。そういう試合をすることで、修斗内での評価も上がるので」という内藤の狙いは、あくまでも修斗での地位向上だ。

「シルドはタイで頑張っていて、ONEで戦うという想いでは僕を上回るかもしれないです。でも、1人の格闘家として1つの試合に賭ける気持ちでは1ミリも負けていない」と一転して厳しい表情になった内藤は、「アニキがONEで戦っていて、僕がウォリアーシリーズに出ることで、『アニキに続け』という見方をされるかもしれないけど、そんな気持ちは一切ないです。僕は僕のために戦っている。アニキはアニキで頑張って、俺は俺で頑張るという感じです」と言い切った。

取材・文/MMAPLANET

(C)AbemaTV

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