台風19号の被災地で懸命の復旧作業が続けられる中、Twitter上には「あまり報道されていませんが、被害は甚大です…お越しの際はお気を付けください」「支援物資を届けに行きました!困ってる場所はありますか?」「実家で迷子の犬を保護しているので心当たりのある方連絡ください#拡散希望」など、個人発の様々な情報がリアルタイムで発信されている。
 いずれも被災者や、支援を行おうとする人たちにとって有用な善意の投稿だが、こうした情報が便乗犯罪に使われてしまう危険性があるという。SNSのリスクに詳しいネットメディア研究所の落合正和氏は「モザイクアプローチといって、過去の投稿などから情報をつなぎ合わせていく。特にスマートフォンのカメラの性能が良くなってきたため、写真や動画は場所に特定につながってしまいやすい。被災地でいえば、“避難所に避難している”という情報と自宅周辺の写真からなる投稿から、夜間に空き巣に狙われてしまうといったことが考えられる」と話す。「市町村が書かれた掲示板、道路標識、電柱、マンホール、ミラーに映る情報なども、住所の特定に繋がる情報だ。周囲の風景と併せて、地図サイトを使って“答え合わせ”作業をしていく。空き巣だけでなく、詐欺、さらには“デジタルストーカー”に利用される可能性もある。そもそもSNSを楽しむにはリスクも取っていかないといけない部分はあるし、災害時には積極的に情報を投稿することで救助に繋がることもある。そのあたりのバランスを考えることが必要だ」。