「恩赦」は時代錯誤?「不寛容社会の表れでは」 26年ぶり55万人に実施
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 「即位礼正殿の儀」に合わせて、恩赦が実施された。天皇皇后両陛下がご結婚された時以来、26年ぶりとなる。

 今回の恩赦で、政府は犯罪被害者やその遺族の心情などに配慮して軽微な犯罪で罰金刑を受けた人に対象を限定し、有罪判決を無効にする「大赦」や刑期を短くする「減刑」は行わず、制限された資格を回復する「復権」に限定した。恩赦を受けられるのは、罰金刑を受けた人のうち罰金を納めてから3年以上が経過している人で、約55万人になると見込まれる。

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 恩赦は、戦前から「天皇が慈悲で罪を許す」という意味があるとされている制度。問題点としては、反対の世論が半数超で「時代遅れでは」との声が上がっている。また、公職選挙法違反者の復帰は約430人で政治家による恣意的運用への懸念や、個別ではなく一律の恩赦では構成意欲を高めさせることはできないとの意見。さらに、恩赦によって「司法の判断」を覆すのは三権分立に反するのではとの指摘もある。

 前回、1990年の恩赦の対象になった約250万人から規模が縮小されたが、『ニューズウィーク日本版』の長岡義博編集長は「当時は今回のような反対意見は少なかったと思う。時代が不寛容になったのでは。“他人が得すること”を許せない感覚が広がっているように思う」と指摘する。

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 恩赦のルーツは中国で、日本では奈良時代から始まったともされる。長岡氏は「中国では共産党が王朝を破壊し歴史が失われているので、この歴史的、伝統的でミステリアスな皇室にはとても感心がある。即位の礼は中国のネットでも話題になった。ただ、こうした伝統を守るべきか、時代に合わせるかは今後議論になってくると思う」とした。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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