東京慈恵会医科大学の研究グループが10月21日、生後3日間「特殊ミルク」を摂取することで乳幼児のアレルギーを大幅に抑制するという研究結果を、アメリカ医師会雑誌で発表した。
食物アレルギーは乳幼児期に極めて多く、0歳での発症が34%と最多となっている。原因となる食物の内訳は鶏卵が39%と最も多く、牛乳が21.8%、小麦が11.7%と続く。
今回の同大学の分子疫学研究部浦島充佳教授(小児科)のグループの研究では、生後3日間母乳と普通の粉ミルクを与えた151人のグループと、母乳と牛乳タンパク質が入っていない「特殊ミルク」を与えた151人のグループを2年間経過観察した。
その結果、普通の粉ミルクを摂取したグループでは20人が食物アレルギーを発症したのに対して、「特殊ミルク」を摂取したグループでは食物アレルギーを発症したのは4人だったことから、生後3日間「特殊ミルク」を摂取すると、食物アレルギーの発症抑制効果があるという結論に至った。
浦島教授は「牛乳以外に卵、ナッツ類等にも効果があった。論文も出たばかりで知らない産科医も多いと思うので、より多くの方に知ってもらうことで産婦人科に『特殊ミルク』が導入されることを期待している」と普及に向けての課題に言及。
また、「食物アレルギー“ゼロ”を目指して新しい研究もはじめ、手応えを感じている。成果が出るには4~5年かかるが、食物アレルギーがなくなる未来も近いでしょう」と、食物アレルギー撲滅に向け、力強い言葉を残している。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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