(新技・合体式フェイマサーを決める上福と白川。技名は後日、正式決定するとのこと)
東京女子プロレスで活躍中のタッグチーム、上福ゆきと白川未奈のPINK READYが、他団体進出を果たした。舞台は白川が女子王座を持ち、上福にとっては初参戦となるBBW=ベストボディジャパンプロレス(10月30日、新木場1st RING)。2人はチェリー&田村依里子と対戦し、勝利を収めている。
東京女子ではタッグ王座挑戦も経験した上福&白川。惜敗したものの手応えがあったようだ。以前、まなせゆうなと組んでベルトに挑戦した際は「おんぶに抱っこみたいな感じがあった」という上福。しかし自身の成長もあり、白川とは「お互いに助け合えるフェア(対等)な関係」だ。そんなチームだからこそ、もっと前に進みたいという気持ちが強い。「何か形にしたい、結果を出したい」と白川は言う。
ともに芸能界からプロレスへ。グラビアで活躍しているのも同じで「泥水すすってきた」ことが白川のプロレスへの意欲にもつながっている。
「芸能界では仲間同士の足の引っ張り合いもあるんですよ。プロレスではそういうことはしたくない。タッグパートナーとは手を取り合ってやっていきたい」
上福は上福で、右も左も分からずに入ったプロレスの世界で苦労を重ねてきた。
「(芸能人のプロレス挑戦とはいえ)東京女子に入った時の私はただの練習生。なんの場所も用意されてなかった。最初の1年くらいは“何もできないくせに”とか“東京女子にふさわしくない、邪魔だ”みたいな声もあって。そういうところからやってきたので、みなちゃんと気持ちが通じる部分があると思います」
(記者会見でもこのポーズ。“見せる”意識の強さも魅力)
色眼鏡で見られることもあるが、芸能界出身の2人だからできることもある。プロレスのタッグというだけでなく「エンターテインメントチーム」として活動の場を広げ、プロレスを発信していきたいという。入場時には生でラップを披露するのが恒例になっており「ラップのPVも作りたい」と白川。
いずれ世界進出も、と大きな野望を抱いている白川に対し、上福は地道なタイプだ。曰く「私は板橋とか王子(といった小さな会場)から頑張っていきたいなって。そういうところでの試合も自分を成長させてくれるので」。この個性の違い、「足して2で割るとちょうどいい」(上福)ところもチームのバランスだ。
BBWのリングでは新たな合体技も披露。デッドリフトで鍛えたパワーで白川が田村を抱え、そこに「上からいくのが得意」な上福がフェイマサーを決めて3カウントとなった。「田村さんは雰囲気強キャラだったかな」と、上福からは自信たっぷりのコメントも。
BBWのタッグ王座は男子限定ではなく女子も挑戦(戴冠)可能。谷口智一代表も「ぜひ狙ってほしい」と上福&白川に期待を寄せる。今回の初参戦で残したインパクトも上々。これからさらに存在感を増していきそうだ。
文・橋本宗洋