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(AEW女子王者・里歩とのタッグで勝利したケニー)

 新日本プロレスでトップを取り、現在はアメリカの新団体AEWで活躍しているケニー・オメガが、久しぶりに日本マット登場を果たした。しかも古巣であるDDTのリング。5年ぶりの参戦だ。

 11月3日、両国国技館大会。ケニー自身が希望したという対戦カードは、ケニー&里歩vsアントーニオ本多&山下実優という男女ミックスマッチだった。アントンはコミカルな持ち味で知られる選手であり、しかも女子選手とのタッグ(対戦)ということで試合前から賛否両論となったが、実はこのカードはケニー自身が希望したもの。新日本プロレス時代には考えられなかった、しかし間違いなくケニーの得意分野と言える闘いだ。リングインはDDT時代の曲で。これには多くのDDTファンが涙した。

 試合はそれぞれの個性のぶつかり合いとなった。ケニーがノータッチ・トペコンヒーロを繰り出せば、東京女子プロレスのエース・山下は強烈な蹴りを叩き込む。コーナーでケニーが山下を担ぎ、その背中の上に乗った里歩がアントンにダイビング・フットスタンプという超大技も。

 そしてアントンは、いつでも誰が相手でもアントンだった。正攻法のグラウンドを見せたかと思えば場外ダイブ(の助走)で転倒し、ケニーを呆然とさせる。そして代名詞「徹夜で考えた創作昔話・ごんぎつね」からの目潰しも見事に命中。試合後に「これがDDTスタイル。他の団体ではできない」とケニーが満足そうに言った独自の世界がそこにあった。

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(アントン&山下のごんぎつねが直撃)

 しかしDDTらしさとは笑いの要素だけではない。アントンは“熱さ”“エモさ”も一級品。ナックルの連打に込められた気迫は2階席の最後方にまで伝わったはずだ。ケニーも呼応し、必殺技・片翼の天使でフィニッシュ。出し惜しみなしの21分22秒となった。

「いつものマットと違ったけど、本多さんとロックアップした時に懐かしいって感じがした。お客さんもやっぱりDDT。ファンは多くなったかもしれないし、少なくなったかもしれない。でもDDTっぽい優しいファンでした」

 ケニーは“里帰り”の感想をそう語っている。AEWでは副社長として女子部門の担当でもあり、選手を見るだけでなく自ら対戦することを重視しているという。山下について「やっぱりいい選手。AEWにいないタイプだから(女子戦線に)入ってもいい気がしますね」というコメントも残した。

 メインイベント後のエンディングでは、DDT二冠王となったかつてのライバル・HARASHIMAとの2ショットも実現した。今後のDDT参戦については「機会があれば」と語ったケニー。翌日の記者会見では新世代の竹下幸之介、遠藤哲也に苦言を呈しており、今後のDDTでの展開が余計に気になってくる。

文・橋本宗洋

写真/DDTプロレスリング

▶映像/ケニー、5年ぶりに降臨

【会場ボルテージMAX(試合前半)】ケニー・オメガが大歓声の中DDTリングに上がる! | 動画視聴は【Abemaビデオ(AbemaTV)】
【会場ボルテージMAX(試合前半)】ケニー・オメガが大歓声の中DDTリングに上がる! | 動画視聴は【Abemaビデオ(AbemaTV)】
【ついにケニーDDT凱旋(試合後半)】アントーニオ本多&山下vs ケニー・オメガ&里歩 | 動画視聴は【Abemaビデオ(AbemaTV)】
【ついにケニーDDT凱旋(試合後半)】アントーニオ本多&山下vs ケニー・オメガ&里歩 | 動画視聴は【Abemaビデオ(AbemaTV)】
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