帰ってきた若き10番がゼルビアを残留に導く! レノファ山口戦のポイントは平戸太貴の先読み力
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 J2残留に向けて、FC町田ゼルビアがいよいよ正念場のホーム2連戦を迎える。

 現在のゼルビアは勝ち点37の19位。降格圏に位置する21位の栃木SCが勝ち点33で残り3試合のため、残留ラインは勝ち点43。ゼルビアはこのホーム2連戦を連勝すると、自力で残留を決めることができる。それだけに、11月10日の明治安田生命J2リーグ第40節レノファ山口戦は絶対に勝たなければならない試合だ。

成長した先を読む力

 今季の山口はインテンシティの高いアグレッシブなサッカーを見せてきた。サイドバックを含めた両サイドがピッチの幅を最大限に使った厚みのある攻撃を見せる。さらには前線のタレントも豊富で、裏への飛び出しを得意とするFW工藤壮人、ポストプレーに長けたFW山下敬大、様々なゴールパターンを持っている万能ストライカーのFW宮代大聖らが深さを作り出す。

 「正直、インテンシティの部分で相手に上回られてしまったのかなと思います。もう一つポイントとして、幅だけではなく、深みを作られてしまいました。それが幅が生きる形になったと思います」と、相馬直樹監督の言葉が示すとおり、前回の対戦は一方的に山口の良さが出た試合だった。

 ゼルビアとしては、球際の強さは発揮できていたもののボールを奪った後にすぐ奪い返されてからのカウンターが目立った。前回同様に、お互いに攻守の切り替えが早い展開が予想されるため、ゼルビアにとっての一番の課題はボールを奪った後の展開だ。

 そこで鍵を握るのが若き10番のMF平戸太貴。平戸といえば両足で精度の高いボールを配給することが可能で、2018シーズンにJ2リーグ1位となる17アシストを記録したことからも分かるように、フィニッシュへの道筋を作り出すことに長けたゲームメイカーだ。

 特に近年では、先読みの力が向上。相手の動きの2、3手先の動きを予測した動き出しや駆け引きで、フリーな状況の作り出し方が向上した。これにより、武器である正確無比のラストパスが、さらに凄みを増している。

 山口は前回の対戦と同様にハイプレスを仕掛けてくるだろう。ボールを奪ってから出しどころを探して捕まってしまった反省を生かすためにも「まず平戸にボールを集める」のもおもしろい。平戸の“先読み力”でファーストディフェンスを外すことができれば、ゴールチャンスは一気に増えるはずだ。

 ただ、そんな平戸も今季は個人として苦しい戦いが続いている。今季途中に鹿島アントラーズからゼルビアに復帰し、残留争いのチームで「いい方向に向かわせることができるプレーをしたい」と誓うも、14試合で2ゴール、アシストは0と結果を出せていない。

 しかし「終わりよければ全てよし」という言葉があるように、ゼルビアにとって大事なのは今季最後のホーム2連戦で勝利して残留を勝ち取ること。サポーターが歌う「ララ平戸太貴、お前の力見せてくれ」に若き10番が応えられるか――。

文・川嶋正隆

写真・長田洋平/アフロスポーツ

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