世界市場は15兆円と拡大を続けるゲーム業界。国内では2017年の1兆5686億円が2018年は1兆6704億円と過去最高を記録している。今月19日からはGoogleが手掛けるクラウドゲームサービス「Stadia」がスタート、グラビアアイドル・倉持由香がプロゲーマーのふ~どさんと共通の趣味である「ストリートファイター」で結ばれ“カプ婚”と呼ばれるなど、景気のいい話ばかりに思える。
そんな中にあって、厳しい状況に置かれているのがゲームセンターだ。約5000万人いるゲームユーザーの中で最も多くを占めるのがアプリゲームということもあり、全盛期の1986には2万6000店以上を数えたゲームセンターの店舗数は、昨年には4000店台にまで減少している。
ゲームスポットバーサス(東京・荒川)の店長は「最近は家庭用ゲーム機がかなり進化していて、表現力、映像に関して言えばゲームセンターとほぼ同等。一言で言えば苦しいというのが正直なところ」と明かす。同店の利用者の一人は「ゲーセンでもネット対戦ができるようになってしまっているので、わざわざ集まる意味すら失われている。悲しいところもあるけれど、しょうがないことだと思う」と話した。
ゲームニュートンの松田泰明オーナーも「すごく厳しい。家庭用ゲーム機やスマホゲームに優秀なものが多く、それもゲーセン離れの原因になっていると思う。新しいゲームであれば高校生なども多いが、ストIIの大会などもやはり年齢がすごく高くなってしまっていて、40歳オーバーの人が多くなってしまう」と話す。
「ずっと100円玉や50円玉でオペレーションしてきた業界だし、お客さんからは取れないので、消費税が上がったからといって120円などにすることもできず、料金設定は30年くらい変わっていない。うまみは全くないが、残したい文化というか、みんなが集まれる場所を残したいという気持ちだ。ゲーム大会をやれば多少の売上もあがって頑張れる面もある。UFOキャッチャーなどのプライズゲームは10秒で終わりなので、やはりどの店も頼み綱だと思うが、僕らがやっているような小さなゲームセンターだと、ビデオゲームの古いファン達と一緒に頑張っている感じだ。僕としてはコンシューマーもPCゲームもアーケードもスマホゲームも全て盛り上げたい。スマホゲーム一人勝ちみたいになってしまうのはちょっと悲しいので」。
今も週2~3回訪れるほど大のゲームセンター好きという元経産省キャリアの宇佐美典也氏は「ゲーセンって街中にある異空間。道場みたいな感じなので、人生の刺激になる」と話す。
「マニアの間では、“このゲーセンには今、このプレーヤーが集まっている”というのが話題になって、遠征しに行くし、それで色が付いていく。僕なんて雑魚だから、やはり格ゲーの聖地で、本当に世界一クラスの人がいて新宿などは近寄れないただ見にだけ行くだが、そういう楽しみもある。後に倒産してしまうが、有名なところではゲーマーズビジョンとう店はストリートファイターの世界的なプレイヤーをたくさん輩出した。店長は“ここを世界一の道場にするんだ”というコンセプトでやっていたし、そういうゲーセンがあっての選手だと思う。
これ以上減ったら文化の喪失。何とか残して欲しい」。
松田氏は「難しいが、ゲームメーカーさんの中にも、僕らと同じ年代で、ゲームセンターで育ったような人がたくさんいて、開発などに関わっている。そういう人たちが家庭用ゲームと差をつけたゲームセンター向けのものを頑張って作っているという感じだ。ゲーセンはやはり喋ったこともない人同士が自由に遊べるというのが良さだと思う。それはやはりオフラインでなければ味わえない部分だし、そこをどんどん出していけば、何か活路が見えてくるのではないかと思って頑張っている。また、全身を使ってやる音楽ゲームや、コックピットみたいなものに乗り込んで遊ぶ体感ゲームがどんどん出てきている。ガンダムのパイロットのようになれるゲームの場合1回500円や300円だったりするが、筐体が500万円もするので、お店によっては導入できないところもある」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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