”私的視察”とする主張が波紋を呼んでいる千葉県の森田健作知事に対して、元東京都知事の舛添要一氏が苦言を呈すと同時に、一連の問題点を巡る千葉県庁の主張に真っ向から反論。さらに問題の本質も指摘した。
先月9日に上陸した台風15号、その翌日に公用車で別荘に行ったとされている行動について森田知事は、10日の午前9時に災害対策本部設置を決定し、対策本部会議に出席。その後、午後2時頃に公用車で30km以上離れた芝山町の自宅へ向かい、私用車に乗り換えると、富里市などを“私的”に視察したと説明した。その一方、視察した結果やその報告内容については「頭に残します」と発言。「何かがあった時の材料のひとつにはするが、電話番号なども含めてメモなどはしない」と話したことが問題視されている。
この発言に対して、元鳥取県知事の片山善博氏が7日にテレビ朝日で放送された『スーパーJチャンネル』の中で「理解できない。私なら関係者を連れてまずは一番ひどいと思う場所に行く」と述べたのに対して、元宮崎県知事の東国原英夫氏は「私的に視察することはない。非常時はあまりプライベートではしない。苦しい弁明だ」と8日にフジテレビで放送された『バイキング』で疑問を呈した。
そんな中、2016年4月に東京都知事だった際に公用車の使用を巡って「公用車は動く知事室。携帯もあれば運転手は都の職員で守秘義務もある。セキュリティーを考えたら電車で行くことはできない。タクシーの運転手の前で話せないことだってある」などと反論した経験がある舛添氏は自身のツイッターで「台風の被害、特に停電は厳しい。防災に携わった者として、なぜ自衛隊にもっと早く災害派遣要請ができなかったのか。被害状況の迅速な把握にドローンを活用しなかったのか、という疑問がわく。今は復旧第一で、関係者の努力を多としたいが、後でしっかり検証して今後の教訓として欲しい」と声を上げていた。
この件について、10日にAbemaTVで放送された『Abema的ニュースショー』に出演した舛添氏は改めて「分からないことがある」と主張したうえで「県庁の職員が、知事がどこにいるか分からなくて大変だったと話している。それはあり得ない」と言い切ると、その理由について「私が知事だったときも(厚労)大臣だったときも、警察やSPが24時間付いている。自宅玄関にはポリスボックスがあって、そこで引き渡してからSPが私のそばを離れる。仮にその後、100m先のコンビニに買い物に行きたくなったとしてもそれは許されず、電話でSPを呼んで、SPを伴ってコンビニに行き、再度、玄関で引き渡されることになる。所在不明というのは、県庁が、組織がおかしい」と県庁の主張に対して異議を唱えた。
さらに舛添氏は、もう一つの「分からないこと」として「東京都の場合、仮にすべての電柱が倒れて電話が不通になっても、衛星通信を使用しているので知事の電話が不通になることは無い」と続けると「私も湯河原に行って批判を浴びたが、ヘリポートを用意していたので都庁まで20分で戻れる体制は整えていた。そういうことを万全にやれば、そこから先はルールを守っていればどこに行こうが勝手だ」と持論を展開する場面も。最後には「森田さんも色々反省すべき点はあるが、彼の首を切ったところで、千葉県庁がよくなることは無い。まったく変わらない」と話し、千葉県庁の組織の問題点を指摘して締めくくった。
▶映像/舛添氏は千葉県庁の主張を問題視
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