11月19日(火)から24日(日)までの6日間、小倉競輪場にて「第61回朝日新聞社杯競輪祭」というナイターレースが開催されます。
競輪界最高峰レース「KEIRINグランプリ(GP)」に次いでグレードの高い「G1」レース。年6回開催されているG1レースのトリを飾るのが、この「競輪祭」になります。
ちなみにG1で優勝すれば毎年12月30日に開催される、優勝賞金1億円の一発レースであるGPへの出場権を得られるのですが、それもこの競輪祭が最後のチャンス。また、優勝できなかったとしても、GPの出場条件である「獲得賞金上位」に食い込むためにはとにかくひとつでも上の着を拾いにいかなくてはならないため、競輪のトップ選手がとにかくがむしゃらにもがき合う姿が観られるレースなのです。「1年間の競輪で最も楽しい6日間」だという人もいるほど。
その6日間開催というのも昨年、20年ぶりに復活したもので、幾多の変遷を経てきています。
1948年11月20日から23日の4日間、小倉競輪場にて初めての競輪が開催されました。
それから3年後の1951年11月21日から26日の6日間、競輪発祥3周年を記念して小倉競輪場で開催されたのが第1回「競輪祭」になります。
当時は全国各地の競輪場でも「競輪祭」のタイトルで開催されていましたが、通商産業省(現在の経済産業省)が「競輪発祥の地である小倉競輪場以外は『競輪祭』のタイトルを使わないよう」との通達を出したのです。
1951年の第1回から第5回までは「全国競輪祭」でしたが、第6回以降は「競輪祭」の名称で毎年、小倉競輪場で開催されてきました(朝日新聞社から社杯が授与されるようになった2002年からは「競輪祭朝日新聞社杯争奪競輪王決定戦」が正式名称となり、2009年からは現在の「朝日新聞社杯競輪祭」に変更されましたが、通称は長年「競輪祭」のまま)。G3以上のグレードレースでは各競輪場の開設記念を除いて唯一、競輪祭のみ開催地が小倉競輪場に固定されています。
日本で最初の競輪が行われた小倉競輪場は日本で最初にできた競輪場でしたが、1998年10月に「北九州メディアドーム」の誕生により移転して一体施設となったため、旧競輪場は同年6月に閉鎖されました。
移転先の北九州メディアドームは前橋競輪場(グリーンドーム前橋)に次いで作られた日本で2番目のドームバンク。前橋が335ｍバンクなのに対して、こちらは400ｍバンク。1周400の屋根付き自転車走路としては世界最大規模になります。
自転車競技用ヘルメットをモチーフとした形状のドームは外観からして巨大ですが、長いエスカレーターの先、4階正面入口すぐのゲートを抜けた先に広がるバンクは圧巻の一言。そこで競輪のガチンコレースがくり広げられると思うと、自然とワクワクしてしまいます。
ちなみに小倉競輪場のバンクは「走りやすさ」をテーマに、全国の競輪場データから最も良い組み合わせを選んで設計されました。ドームなので無風。カントはキツく、軽いと話す選手も多い、高速バンクになっています。自力選手が有利も、直線がよく伸びるので追い込み選手も届きやすく、逃げ、捲り、差しが均等に決まるバンク。中穴が出やすい、見応えのあるレースが展開されるでしょう。
屋内なので声が通りやすく、選手に声援が伝わりやすい。白熱するレース展開になれば、自ずとお客さんは声を張り上げる。準決、決勝のゴール前ともなれば、ドームコンサートさながらの声援が飛び交い、盛り上がること間違いなし！
……と、その前に腹ごしらえはしておきましょう。4階の「メディア食堂」では「ちゃんぽん」や「ホルモン定食」といったしっかりしたご飯もの以外にも、「魚肉ソーセージの天ぷら」などといったB級グルメも揃っています。
また、ナイター開催なので外で食べてからくるのもいいかも。小倉のソウルフードといえば通称“ドキドキうどん”こと「肉うどん」。醤油で煮込んだ角切り牛肉が乗ったボリュームたっぷりのうどん。鷹の爪におろし生姜をこれでもかというくらい山盛りにして食べるのが通です。よもぎを練り込んだ麺を使っている店もあるので、いろいろ探してみるといいかも。うどん屋さんは住宅街にも点在しています。
ただ、肉うどんを出す店はわりと早めに閉まってしまうので、もうひとつの小倉を代表するソウルフード「焼きうどん」も狙い目。小倉発祥という説が濃厚の焼きうどんを出す店はたくさんあります。ホルモンの丸腸を入れた焼きうどんなんていうのもあるので、勝負前に“◎”を付けときたい人にはオススメです♪
小倉には行けないけど競輪祭に参戦したいという人は、ネットで楽しんじゃいましょう。「WinTicket」ではライブ配信も行っているのでパソコンの前やスマホ、タブレットを片手に勝負可能です。
ちなみに1レースが15時スタートの競輪祭の前にも競輪を楽しめるようにと、4つの競輪場でF1のレースが開催されるのをご存知ですか？
その名も「KEIRINフェスティバル」!!
……ん？ 略したら「競輪祭」じゃないかって!?
細かいことは気にしない！ 楽しいレースがあればいい!!
前半の3日間(11月19日から21日)は久留米競輪場と大宮競輪場で、後半の3日間(11月22日から24日)は平塚競輪場と広島競輪場で開催されます。このKEIRINフェスティバルは10:25から15:00で終わる10レース制で実施されるので、11月19日から24日は1日中、ネットで競輪三昧になれるわけです。
「1年間の競輪で最も楽しい6日間」というのも、あながち言い過ぎじゃないかもしれません。
競輪ファンの皆さま、競輪界のお祭りを存分に楽しんじゃいましょう♪
文・ウエノミツアキ
