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(対戦が決まった会見でも、坂崎はこんな様子)

 11月3日の大舞台、DDT両国国技館大会で東京女子プロレスのシングル王者となった坂崎ユカの初防衛戦が決まった。恒例の“イッテンヨン”、1月4日の後楽園ホール大会だ。

 タッグパートナーでもある中島翔子を下し、2度目の戴冠を果たした坂崎は、翌日の記者会見で「ベルトとともに進化していきたい」と抱負を語った。2年前の初戴冠時は才木玲佳に敗れ「1回も防衛できずにセミのように(短命で)散ったんです」と坂崎。

 初防衛戦は“鬼門”であり、成長が問われる試合にもなる。慎重にクリアしたいという思いもあったはずだが、この会見に挑戦者として登場したのは山下実優だった。団体の1期生にして誰もが認めるエース、そして初代シングル王者でもある。その挑戦資格を疑う者はいないだろう。

 両国大会での坂崎勝利を見て「早めに(挑戦に)いこうと思った」と山下。坂崎にとってプレッシャーのかかる初防衛戦は、挑戦者にはチャンスとなる。「申し訳ないけど今回(の初防衛戦)も私がいただきます」と山下。

 団体側も認める山下の挑戦だが、坂崎は「断る!」。大事な試合だからこそ、挑戦者選びから自分のペースで行ないたいというところか。だが甲田哲也代表は「坂崎選手の場合、結果やりますので」とアッサリ。タッグ王者時代もそうだったが、タイトルマッチの相手はとりあえず一度、断って見せるのが坂崎のスタイルだ。本人曰く「天邪鬼なので」。それが坂崎流の心理戦と言えなくもない。

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(前哨戦一発目は山下が勝利。坂崎の胸中は)

 さっそく組まれた前哨戦第一弾は11月9日の板橋大会。坂崎は乃蒼ヒカリ、山下はらくと組んでのタッグマッチだ。この試合は山下がヒカリから3カウント奪取。最大の必殺技であるクラッシュラビットヒート(ランニングキック)を決めての勝利で、容赦ない勝ちっぷりは坂崎に向けてのアピールでもあったはずだ。

「やるだけやって坂崎ユカに火をつけたい」と試合後の山下。「純粋に闘いたいと思えるようにしたい」と語っており、100%の気合いでタイトルマッチを行ないたいという思いが強い。が、坂崎はというと「(試合は)断ってますので!」。正式決定したと言われると「社会人として誠意とかお土産がないと」とゴネ始めたのだった。

 坂崎にとって重い意味を持つ初防衛戦。山下が現時点で考えうる最強のチャレンジャーであることも間違いない。これから続いていく前哨戦の中でどんな駆け引きが展開されていくか。両者のコメントも含めて注目したい。

写真/DDTプロレスリング

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