「在来線を乗り継いで(大阪から)栃木まで行っていた。誘拐事件における犯人の手口は捜査員の想像を超える。想像を超えたところで警察がどこまで先手を打って捜査をしていたのかは、実際難しいところがある」
大阪市住吉区の小学6年生の女児が誘拐された事件で、大阪府警は11月23日に小山市の伊藤仁士容疑者(35)を未成年者誘拐の疑いで逮捕した。この件について元埼玉県警捜査一課の刑事である佐々木成三氏(43)は誘拐事件を捜査する際の難しさについて話すと、本件が事件として特定された時期について「残念ながら女の子が交番に駆け込んで『監禁されていた』という言葉があって、これは誘拐だとなったのだろう」と私見を述べた。
「未成年に限らず、行方不明になっている方は年々増えている。それらがすべて事件なのかといえば、そうでもない。ただ今回の件については、12歳の女の子が一人で1週間家出をするという可能性は低いので、早い段階で事件の可能性を疑っていたはず。とはいえ事件と特定するには、男と一緒に動いていた、何かしらの誘惑を匂わせるメッセージが届いていたなどが着手の段階で判明していたら捜査となるが、これがない以上は(事故と事件)両面的に捜査をしなければならない」
そのように理由を説明した佐々木氏は「行方不明でも事件でも防犯カメラをチェックし、スマートフォン、関係者、交友関係の捜査などやることに変わりはない。ただ、スマートフォンの電源が切られていた。在来線を使って栃木まで行っていたなど、私自身も経験したことはあるが、誘拐犯の犯罪者の手口というものは捜査員の想像を超える」と語った。
また複数の女性を監禁するという異常性における「なぜ」の部分については、「15歳の少女をすごい長い期間家に匿っていた事実があるとすると、家の中に匿っている事実に誰も気づいていないので、この容疑者が社会から孤立していたことは間違いない。そこに何かしらの動機があり、自分の存在意義という意味で『女の子から認められたい』などの気持ちがあったのかもしれない」と推測した。(AbemaTV『Abema的ニュースショー』より)
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