韓国のアイドルグループ「KARA」の元メンバー、ク・ハラさん(28)が24日、ソウル市内の自宅で死亡した状態で見つかった。詳しい死因や経緯は不明だが、現地警察はハラさんが自殺を図った可能性もあるとみて調べを進めている。
2007年に韓国でデビューしたKARAは、2010年に日本でも活動を開始。2011年にはNHK紅白歌合戦に出場するなど、K-POPの代表的な存在として人気を博した。しかし、2016年に解散状態となり、メンバーはそれぞれ別の道へ。
ハラさんはソロ活動を続けていたが、ここ数年はプライベートでトラブルを抱えていた。2018年に交際相手との別れ話が暴行騒動に発展。2019年5月には自宅で意識不明の状態で発見され、自殺未遂と報じられていた。それでも6月に日本の芸能事務所と契約し心機一転、再スタートを目指していた。
そんな中、ハラさんが悲しみに暮れる出来事となったのが10月、大親友だった歌手・ソルリさんが自殺したこと。2人は誕生日を祝い合うなど姉妹のような関係だった。ハラさんはインスタライブで「あなたの分まで一生懸命生きるから」と号泣しながらソルリさんへのメッセージをおくっていた。
友人の死から1カ月後、本格的な再出発となるライブツアーを日本で開始。11月19日までパフォーマンスを見せていたハラさん。日本での活動を順調に楽しんでいた様子だったが23日、Instagramに「おやすみなさい」という投稿を残し、この世を去った。
ハラさんの突然の訃報に、臨床心理士で心理カウンセラーも務める明星大学准教授の藤井靖氏は「裁判に至るトラブルを抱えていたり、一度自殺未遂があったりして、その後どのような心理的ケアがなされていたのかはわからない」としつつ、「新曲のリリース、その後日本で4日間のツアーと、短い期間の中に凝縮されたスケジュール。一見、準備期間も含めて非常に充実していて、本人も中身が伴ったパフォーマンスをこなしたんだと思うが、精神的に不安定な状況の中で集中的に頑張る時期を作った後の反動が一番心配。一仕事終わった後にもし1人で韓国に帰ったとして、そこは以前に自殺を図ったのと同じ部屋。環境が同じで身体的にも疲れると、精神的な波も下降することが多い。一部で言われているうつ病が本当だったかはわからないが、ネット上の中傷を含め厳しい環境にさらされる中で精神的に不安定だったことは確かだと思うので、果たして心理状態の本質を踏まえたケアがなされていたのかどうか」との見方を示す。
また、精神的に不安定な状況から仕事に復帰する「リワーク(復職)」のプロセスは慎重に扱われるべきだと指摘。「芸能界は厳しいところだということで片付けてはいけない。日本の自殺者数は年々減少していて2万人を切ろうとしている中で、芸能界における心理的ケアやサポートもアップデートしていかなければいけない」と警鐘を鳴らした。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
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