24日に横浜アリーナで開催された"K-1冬のビッグマッチ 第1弾 横浜"｢K-1 WORLD GP 2019 JAPAN～よこはまつり～｣におけるベストバウトの一つは、皇治vs川原誠也だ。
ビッグマウスと挑発でならし、武尊とも激闘を繰り広げたK-1屈指の人気選手・皇治。8月の大阪大会に続く参戦で闘ったのは、MMAで活躍してきた川原だった。いわゆる“異種格闘技戦”の緊張感があったこの試合は、いきなり川原がダウンを奪う波乱のスタート。しかし、持ちこたえた皇治がハイキックでダウンを奪い返し、2ラウンドで逆転KO勝ちを収めた。
試合後の皇治を直撃すると「K-1盛り上げるために演技するのも大変っすよ」と言いながら、実は「……めっちゃ効きました（笑）」。川原については「マジな話、タケポン（武尊）よりパンチある」と語っている。
ダウンしてから、皇治は記憶が飛んでいるそうだ。1ラウンドが終わり、コーナーに戻ってセコンドに話しかけられたところでようやくダウンしたことに気づいたという。つまりダウンを奪い返したハイキックも、無意識の状態で出したものだった。皇治曰く「必殺・酔拳です（笑）」。
改めて映像を見ながら試合を振り返ってもらうと、パンチを食らう自分の姿に「めっちゃ効いてますやん」と苦笑。しかし「ここからダウン取り返したんすか？ 俺の攻撃力凄いな。強がりなしで、ここは記憶ないです」とも。
「どうやってKOしたかも覚えてない」という皇治だが、大逆転勝利、場内大爆発という結果に「おもろいっすよね俺って（笑）」。記憶が飛ぶ中、本能だけで闘っていたと皇治は言う。
「これで俺が負けたらK-1が終わってまうから。俺の今回の仕事は緊急参戦して盛り上げること。それが果たせたのはよかった。それ以外は0点」
批判されることもある皇治だが、すべての行動原理はK-1のため、格闘技界を盛り上げるためなのだ。とはいえさすがに「ちょっと休憩ですね。疲れた」と皇治。言いたいことを言うからこそプレッシャーもある。
「最近、夜寝られへん時もある。それだけ（K-1）を背負うようになったんかなって」
やはりこの男、ただのビッグマウスではない。
