中国の巨大スマートフォンメーカー「Xioaomi」(シャオミ)が、ついに日本に進出する。
世界のスマートフォンの市場(2019年第3四半期)ではサムスン(21.8%)、ファーウェイ(18.6%)、アップル(13.0%)に続いて4位(9.1%)のシャオミ。しかしこれまで日本では公式に製品を販売して来なかった。シャオミのゼネラルマネージャー、スティーブ・ワン氏は9日の発表会で「日本はすばらしいマーケットだ。来年5Gに移行する今が、日本に進出する良い時期だと思っている」と説明した。
この点について、携帯電話研究家の山根康宏氏は、このタイミングでの日本進出について「最も大きい理由は、端末と通信の分離が10月に始まったことだ。以前は大手メーカーのスマホが割引されて出ていたので、シャオミがそこに5万円のものを出しても、なかなか勝てない。ところが10万円のスマホは10万円で買うしかなくなったので、ここで初めてスペックは他社と同じなのに値段は安い、というものを出して戦えるようになった。シャオミには1万円くらいの安い機種もあるが、日本人はやはり品質とスペックを重視するので、“安いが品質は良くない。iPhoneを買おう”という流れになってしまう。ようやくそこに向けたものが完成したというタイミングも合ったのではないか」と話す。
シャオミが日本初進出にあたり、主力製品として投入するスマートフォンが「Mi Note 10」だ。カメラ機能が特徴で、スマホ史上初の1億800万画素を誇り、5眼カメラを搭載。しかも価格は5万2800円(税別)と、iPhoneやPixelなどに比べれば廉価だ。
「シャオミが“他のメーカーよりもスペックが良い”というものを初めて世の中に送り出すことができた。先進国の人々はお金があるので、値段よりもブランドや品質を気にする。しかし、“世界初の1億画素”と言われれば使ってみようと思う。もし他の会社が出せば1億画素のカメラ機能を持つスマホを出そうとすれば、7~8万円になるだろう。それが5万円と言われれば、ひっかかる人もいる。お買い得感、コスパが非常に良い」。
■気づいたら家の中がシャオミ製だらけに?
ワン氏は発表会で「企業方針は“すべての人にイノベーションを”だ」とも語り、会見の会場にはスマホや関連商品だけでなく、炊飯器などの製品も並んだ。
中国でシャオミ製のキャリーケースやケーブル、スマホを購入したこともあるという“シャオミファン”の池澤あやかは、この炊飯器について「開発チームには三洋電機出身の方もいる。日本の家電は一度UIが定まってしまうと、そのアップデートを繰り返して複雑になってしまいがちだが、シャオミの炊飯器の場合、操作部分のデザインはシンプルになっていて、詳しい設定などはスマホで行えるようになっている」と説明する。
山根氏は「まず炊飯器を出したのがミソだ。スマホで操作できて、しかも1万円なら買ってみようという気になる。日本人に対し、“シャオミ・スマホ・家電”というイメージを与え、体重計なども出していくのだと思う。体重計は2000円くらいだと思うし、スマートウォッチも3000円くらいなので、とにかく安い。体重計やスマートウォッチを1か月も使っていれば、スマホにデータが溜まる。これこそまさしく“全ての人にイノベーションを”ということを伝えようとしているのだと思う。他にも照明や空気清浄機、洗濯機も出しているので、家電をちょくちょく買っているうちに、いずれ室内の製品はスマホだけがシャオミじゃない。でもいつもシャオミと一緒に生活している。そういうことになっているかもしれない」と話す。
「香港でも、誰もがシャオミの体重計を持っているくらい売れている。私も暇つぶしに行き、何かしら買ってしまう。うちのコンセントやライトも、気がついたらシャオミ製だ。無印良品のマネをしているとも言われるが、無印良品にはIoT機器はないし、Appleと無印良品のいいとこどりではなく、どちらもできないことをやっているのがすごいところだ。スマホも最初はiPhoneに似ていると言われたが、そこは成長しながらきちんと考えていくだろう。シャオミが参入したことによって、日本のメーカーも頑張ってくれればよい」と語った。
なお、こうした個人データの取り扱いについて、シャオミの広報は「原則としてデータはユーザーのいる市場に留まる」「最初に接続するときは場所を選択する。そこから海外に流出することはない」と説明している。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
▶映像:1億画素のカメラ搭載!シャオミの実力
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