ケンコバ「テレビ番組の忘年会も減ってきた」進むビジネスパーソンの“忘年会離れ”、理想の飲み会の姿とは
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 忘年会シーズン真っ只中。しかしネット上には「時間とお金の無駄」「上司に気を遣うのがイヤだ」など、職場の飲み会に対する悪口の数々が。シチズン時計の調査によれば、およそ9割の人が「忘年会の適当な回数」として「1回以下」と答えるなど、ビジネスパーソンの“忘年会離れ”が進んでいるようだ。

 東京・新橋で若手の会社員たちに話を聞いてみると「できればないほうが」「めんどくさい」「上司の酒とかの注文を聞くのがめんどくさい。自分の分くらい自分で頼んでくれと思う」と否定的な意見が次々と飛びだした。

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 一方、50代の上司世代からは、「必要。コミュニケーションとったりとか、よし!やるぞ!という部分があったほうがいい」という声も聞かれたが、「必要だけど、時間もお金も取って、では若い人たちは来ないと思う。会社を離れてまで上司と付き合いたくないっていう若手は多い」と慮る人も。

 10日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に出演したお笑い芸人のケンドーコバヤシは、テレビ業界の忘年会事情について「裏方の皆さんのためという意識があったし、個人的にはあった方が良いとは思っている。だから“今日は弾けてください”ということで、僕たちが賞品を用意して、スタッフさん向けビンゴ大会をやったこともあった。ただ、不況のせいもあるのか、昔は当たり前だった番組単位の忘年会も少なくなっている。こないだも年内で終わる番組のスタッフに“打ち上げや忘年会をやれる状況じゃないんです”と言われた。最年長だったので、“なんで俺が出さなあかんねん”と言いながら、おごりました(笑)」と明かす。

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 タレントの山田菜々は「私は“飲みニケーション”という言葉が嫌。お酒が入った上司が説教をしだすのは理不尽だと思う」、はましゃかも「集まりたくないわけでも、お酒を飲みたくないわけでもない。気を遣わずに集まりたいということだ。例えば女子がサラダを取り分けなければいけないという圧力が飲み会であるし、女子同士がその役目を譲り合うような空気もあると思う。私は“お酌できて女らしい”などと言われることが嫌だったが、一応は気を遣っていた。しかしある時、仕事先の人と飲んでいた時に“ただキャバみたいでいいね”と言われて、それからは絶対にそんなサービスはしないと思った」と、仕事の飲み会への怒りを露わにする。

 視聴者からは、「いまだに昭和のカラオケメドレーで歌えないと一気飲みさせられる」「新人に芸をさせるのが嫌」「LINEがなかった時代のもの」「すでにコミュニケーションを取れている人たちとあえて会話する必要性を感じない」といったコメントも寄せられた。

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 忘年会について問題提起するコラムを執筆したことのある長内厚・早稲田大学ビジネススクール教授は「新入社員の頃から本当に忘年会が嫌で、いつか何とかしたいと思っていた。昔は言えなかった、その思いをやっと言えるような時代がきた」と冗談めかして話す。

 「昔はサービス残業が当たり前だったが、今はそれが当たり前ではない。飲み会も会社の役に立つものなら業務だと考えるべきだし、それを社員の業務時間と金を使ってやるなという話だ。また、やっている側は悪いことをしてる気がなくても、受けた側が嫌な気持ちになれば、それはハラスメントだ。忘年会も参加してる人が楽しめていればいいが、そうでないのに強制するのはハラスメントだ」。

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 ゲームを制作するアカツキの創業者でCEOの塩田元規氏は「うちの場合は全社で一つの忘年会や飲み会というよりも、各チームで一人あたり毎月7000円の懇親会費を補助している。そこで各プロジェクトが何のために飲み会をやるのかを考えてくれればいい。結局、何でこれをやっているのか、それが誰にも分からないのに続いてるから良くない。だから“無礼講だ”といったのに、後で評価を下げられたりする(笑)」

 そんな時代、株式会社マツリカでは「リモート飲み会」を実施している。もともとフルリモートが可能な職場で、会議もウェブ上で開いていたことから、飲み会でも実践してみたのだという。同社では「場所に囚われずコミュニケーションがとれる」「店選びや移動の負担がない」「終電の心配がない」「料金が安い」といったメリットがあるとしている。

 これについて、塩田氏は「友人の会社がやっていたが、めちゃくちゃ効果があったと話していた。楽しく飲めて、眠くなったらオフにできる」とコメント。

 長内氏は「リモートでできることはリモートでやればいいが、ウェブやテレビ会議で伝わらない時は、会うということも大事だ。逆にいえば、その“会う”という貴重な機会には、ちゃんと意味のあることをやりましょうということだ。若い人たちは景気のいい時代を過ごしていないので、その分だけ、お金や時間の使い方にシビアで、意味のあることに使いたいと考える。だから“自分は管理職だからついてこい”ということでは誰も行かない。一方で、魅力的な人がいるとか、役に立つと感じる飲み会であれば行こうと思うはずだ。これはつまり若者の問題ではなくて、50代の管理職の人に魅力があるかどうかの問題だ」と話していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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