(試合後、セコンドのKANAと)
K-1 KRUSH FIGHT女子アトム級のホープ・菅原美憂がプロ4戦目に挑んだ。菅原はこれまで数々の名選手を輩出してきたシルバーウルフに所属。先輩には女子トップ選手のKANAがいる。ここまで3戦して2勝1敗。今回の対戦相手は他団体でベルトを巻いているC-ZUKAだけに、試練であると同時に勝てば大きくステップアップできる一戦だ。
憧れの存在であるKANAと「一緒にチャンピオンに」という約束もしているという菅原。KANAは12.28K-1名古屋大会で世界トーナメントが控えており「勝ってバトンをつなげたい」という思いもあった。
ともに蹴りを持ち味とする菅原とC-ZUKAの対戦は、まず菅原が前蹴りで先制。そこからミドルキックにつなげ、自分の距離で試合を進めていく。ロープに詰めたところでのパンチ連打、相手が蹴ってきた際の蹴り返しなど、やるべきことをしっかりやっているという印象だ。
2ラウンドも常に前進を続ける菅原の攻撃に、C-ZUKAがバランスを崩す場面も。最終3ラウンドには左ミドル、右ストレートを効果的にヒット。最後まで主導権を譲らなかった菅原が判定3-0で勝利を収めた。
セコンドにKANAがつく中で白星を重ねた菅原は、KANAにつなげる勝利について聞かれると「ギリギリ、ですね」と笑顔。判定勝利ではあったが「今までの試合で一番、やりやすい距離でできました」と手応えも感じたようだ。C-ZUKAの蹴りは強かったと言いつつ「思ったよりも蹴ってこなかった」とも。
それは菅原がしっかり自分の距離で闘い、先手を取ることができていたからだろう。相手が蹴ってこなかったのではなく、蹴らせなかったというのが実際のところではないか。今回は学生として最後の試合でもあった。年が明けると美容師の国家試験が待っている。
「合格したらもっと練習時間も取れるようになるので。もっと強くなりたいです」
インタビュースペースではKANAと2ショットでの記念撮影も。「待ち受けにしたい」と望んでいるベルト姿での2ショットに向けて、着実に前進する1勝だった。
文・橋本宗洋