前回のコラムで「男子選手の勝ち上がり条件」について書きました。
今回は「ガールズの勝ち上がり条件」についてお話ししましょう。
一般的な3日開催の場合、男子は「初日:予選→2日目:準決勝→最終日:決勝」と主に着順上位の選手が勝ち上がっていきますが、ガールズは「初日:予選第1走→2日目:予選第2走→最終日:決勝」という日程で、予選第1走と予選第2走のポイント合計上位者から7人が決勝に勝ち上がれるようになっています。
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<勝ち上がり条件・ガールズ>
(1)ポイント合計
(2)予選2走の上位着(2日目を優先)
(3)平均競走得点(直近4カ月。小数点第2位まで算出して比較)
(4)勝率(直近4カ月)
(5)連対率(直近4カ月)
(6)前期平均競走得点
(7)前々期平均競走得点
(8)抽選
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獲得できるポイントは以下です。
予選(第1走)
1位8点、2位7点、3位6点、4位5点、5位4点、6位3点、7位2点、棄権1点、失格・欠場0点
予選(第2走)
1位11点、2位9点、3位7点、4位5点、5位4点、6位3点、7位2点、棄権1点、失格・欠場0点
第2走のほうが、3着入賞時のポイントが高く設定されています。
疲れている2日目に勝つのが有利にしているのか、逆転の可能性を考慮しているのか、第2走のほうが高くなっているのです。
よくある2レース3日開催の場合、全14選手中、ポイント合計上位7名が決勝に進めますが(同点が出た場合、上記の条件を順に比較していく)、ボーダーラインは13ポイント辺りになることが多いです。
さて、選手だったらどういった戦術を取るでしょうか?
強い選手が第1走で順当に1着を取ったとします。8点。第2走も1着を取ったら11点加わって、計19点になります。ただし、そこまで点を取る必要はありませんよね。13点をボーダーと考えると、4着で5点加わり、13点。それだとギリギリなので、3着取って7点の計15点、2着取って9点の計17点くらいは取っておきたい。その着なら全力で走らなくても済むから決勝に足を温存できる……という戦略が十分に考えられます。
「ガールズ第2走は強豪選手の2着、3着付けで穴狙い」
先行よりも捲り主体の強豪選手が外枠に組まれていたら、さらにチャンスです。
逆に先行主体の強豪選手だったら、普通に走っているだけで1着を取れてしまうので、そこは素直に頭から行きましょう。
ちなみに第2走のほうが1着だと3点も高い。それならば第1走は3着以内を目指す走りをして第2走で1着を狙いにいったほうが効率がいいと思われるかもしれませんが、決勝を考えると前日に足は使いたくないので、その戦略は採りづらいでしょう。
「ガールズ初日は強豪選手の頭で固い」
これは2レース3日開催の場合です。同じく3日開催ながら6レースというのもあります。そちらも同じくポイント制なのですが、決勝に進めるのが42選手中、7選手しかないので2走合計16点だと厳しいかもといったボーダーになります。なので2走とも全力で走らなければならないということになりますが、6レース開催は強豪が複数揃っているということが多いので、そもそも絞って狙いづらいです。1レースに初日の様子を見て、第2走は調子の良い強豪を頭で、調子の悪そうな強豪は思い切って外して買うという手もあります。
「ガールズ6レース開催は初日の走り次第で2日目は中穴狙い」
この他、特殊な番組としては『サマーナイトフェスティバル』の中で開催される『ガールズケイリンフェスティバル』があります。これは3レース3日開催なので21選手中、7選手が決勝に残ることになります。6レース開催よりはボーダーが甘くなりますが、そもそも強豪21選手の争いなので2走とも本気で走らなくてはならないでしょう。
あと、3レース4日開催というのがありますが、21選手中14選手、すなわち全選手の半分が準決に勝ち上がることからして、2レース3日開催と同じような戦術が用いられると考えてよいかと思われます。準決から決勝への勝ち上がりは3着以内で確定。4着になった2選手は上記の条件で勝ち上がりが決まります。ここは決勝に足を温存する可能性のあるトップ選手の2着はあり得ます。3着はリスキーなので避けると思いますが。
「ガールズ3レース4日開催の準決はトップ選手の2着付けで穴狙い」
以上、ガールズケイリンの勝ち上がり条件を考慮した車券の狙い目でした。
男子のときもお話しした通り、あくまでも一般論です。ここに挙げたのとは違う戦術をする選手もいますし、すべて全力という選手もいます。それら個性を加味して独自のセオリーを構築していけば、ガールズケイリンがもっともっと楽しくなりますよ♪
文・ウエノミツアキ