日本社会にすっかり根付いているクリスマスだが、本来はキリスト教のイベント。世界24億人の信者のうち、日本はわずかに200万人なのに、こんなに騒いでいていいのだろうか。群馬県桐生市の宝徳寺の御朱印には、お地蔵さんとサンタクロースのイラストが描かれている。「クリスマスをキリスト教の行事ではなく、年末の楽しいイベントとして考えてデザインした」と住職。また、120年以上の歴史を持つ富士見教会のの藤盛牧師に、恋人同士で大騒ぎをする日本の風潮をどう思っているのか尋ねてみると、「キリスト教とは関係のない祝い方に眉をひそめる方はいないでもない。ただ、祝い方は人それぞれだと思うし、一般の方々の祝い方について、どうこうというのはない」と話した。
一方、アメリカでは異変も生じているという。パックンは「アメリカでは恋人ではなく家族中心。ただ、僕の若い頃には、クリスマス・イブや翌朝には教会に行くのが当たり前で、“え?行かないの?”という雰囲気があった。それが今はアメフトを見るとか、酔っ払ってるから行かないと話しても咎められなくなった。その意味では、色々な過ごし方が容認される社会になっている」と話す。
変化はそれだけではない。2015年のオバマ大統領のクリスマスの挨拶は「Happy Holidays,everybody!」。従来なら「Merry Christmas」と締めるところを「Happy Holidays」という言葉を使ったのだ。最近では、SNS上の挨拶にも「Happy Holidays」が飛び交う。この風潮に、ニューヨーク・ポスト紙は「“Merry Christmas”は口にするのを恐れるほど悪い言葉になった」と意味深な見出しで報じている。
宮澤エマは「“Merry Christmas”ではダメ、というほどではないが、ポリティカル・コレクトネスに気をつける人たちは大抵“Happy Holidays”をセットにして、“クリスマスおめでとう。そしてクリスマスには関係ない人たちにも良い休日を”という感じで言う。より広い範囲の全員がお祭りに参加できるようにという感じの配慮が増えたなと思う」と話した。
この“脱メリクリ”について、ビデオブロガーのランダム・ヨーコ氏は「強く言えば言葉狩りだと思う。まだ死語にはなっていないと思うが、印象としては死語にさせられそうだ。Merry Christmasと言うのはキリスト教の習慣なので、移民国家のアメリカでは少数派の方への差別になるという議論が生まれた。リベラル派のメディアや政治家の皆さんが広めている。分かりやすい例では、2015年冬にスターバックスのカップから”Merry Christmas”の文字が消えたことがあった。これに対して、トランプ大統領は“Merry Christmasと言える国にしよう”と訴えて保守派の不満を吸い上げて、自身の支持へとつなげた。その後もあえて“Merry Christmas”と言っているし、今回も日本時間の25日夜9時半頃に“Merry Christmas”とツイートし、支持者も“Merry Christmas”と反応した」と説明。「日本のように自由な意見が色々と出てくることはいいことだと思う。アジアの他の国に行くと、元々の宗教が弾圧されている悲惨な状況がある。皆さんで議論できるということが、日本社会の幸せなところだと思う」と指摘していた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
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