年明け早々に第一回の開催を迎えるテニスの国別対抗戦『ATPカップ』。日本チームを含めた出場24カ国がオーストラリアに集結し、初代チャンピオンの座を目指す。
AbemaTVは10日間に渡るこの大会を全試合生中継。大会に先がけて日本チームから西岡良仁、添田豪選手らが「芸能界一のテニス実力者」を自負する応援隊長の杉村太蔵氏と激論を交わした。元衆議院議員の杉村氏は高校時代に国体で少年ダブルスの部で優勝した実績もあり、そんな杉村氏の進行だけに、硬軟織り交ぜた話題で大いに盛り上がった。
中でも、テニスを知らない人はもちろん、知る人にとっても興味深いのはやはり<お金>の話。今やグランドスラムの優勝賞金が最高で4億円を超える時代になったが、それ以上に驚きの事実が、1回戦敗退でも600万円以上、1回戦を突破すれば1000万円超えという配分だろう。グランドスラムの本戦出場の目安となるトップ100に入ることは、世界中のテニスプレーヤーの目標だ。
27歳の内山は今年10月、ついに悲願のトップ100入りを果たし、現在は81位。13位の錦織(取材日は12月6日。後日、内山選手と錦織選手は欠場を発表。松井俊英選手が追加招集されている)、73位の西岡とともに今はトップ100に3人がランクされている。このトップ100を維持することにどれほど価値があるかは、獲得賞金にもっともよく表れているだろう。たとえば今シーズンを通して50位から80位の間を推移していた西岡は、年間に78万9918ドル(約8600万円)の賞金を稼いだ。それでも「お金に関して今の満足度を5段階で評価すると?」と問われると、「まだまだですね。1です」と即答。上には上がいるテニス界を知るからこその貪欲さだ。
一方、2012年に自己最高の47位に達した添田は、ピーク時でも年間3200万円程度にとどまった。というのも、賞金は年々高騰しており、特にこの数年は上がり幅が大きいからだ。「今が自分のピークだったら良かったんですけどね」と35歳の添田は本音も漏らした。
ただ、ATPの公式サイトを見れば各選手の獲得賞金はわかるが、それと同時に知っておかなくてはいけないのが、その裏での出費も相当の額にのぼるということ。基本的に飛行機代など移動費は自費であり、コーチやトレーナーに支払う報酬が賞金のうちのかなりのパーセンテージを占める。じっさいに添田は「僕は一番多いときで年間2000万円をコーチに払いました」と明かした。
なお、日本代表にはダブルス・スペシャリストのマクラクラン勉選手も加わる。出場24カ国はまず6つのグループに分かれてラウンドロビン(総当たり戦)を行い、日本と同じBグループには世界1位のラファエル・ナダルを擁するスペインもいる。
しかし「団体戦では何が起こるかわからないですし、デビスカップでは錦織選手がいなかったにもかかわらず、強豪国に勝てるチャンスがかなりあった。がんばります」とナンバー2で出場する西岡が決意を語れば、リーダー的存在の添田も「優勝は大きいことですけど、口に出して目指さないと届かない。実際その力はあると思うので、優勝目指してがんばります」と熱い胸の内を明かした。