あけましておめでとうございます、青木真也です。
昨年末28日のDDT後楽園大会スーパー・ササダンゴ・マシンとの大喜利マッチ。「2020年に向けて気の引き締まる四字熟語」との問いに「石井館長」と回答し、スーパー・ササダンゴ・マシン越えを果たしました。試合後は翌日に控えたベラトール日本大会のセコンドに備えて早々に会場を後にしました。年末は自分の試合がなくとも忙しくしていました。まさかこの時点では翌日に石井館長と顔をあわせることになるとは思ってもいませんでした。「まさか」は思いもしないときに起こるものなのです。
ベラトール日本大会ではセコンド業務で朝9時に会場入りしてバタバタしておりました。サポートする住村竜市朗選手の試合順が後半戦だったので、メインカードをのんびりとモニターで見ておりました。控え室で見る選手と見る試合は独特の緊張感があってこれはこれで好きです。
電波の入り難いさいたまアリーナの控え室に一通のLINEが入ります。
なんと石井館長からでケージサイドで観戦しているとのことで条件反射的に挨拶に伺うことが決定します。そこに決断は介在しません。いらっしゃるのであれば挨拶に伺うのが業界の常識だと僕は教育されてきました。今はそんなことまで教えてくれないのだろうけども大事なことだと僕は思っています。
挨拶に伺ったら横の席に案内してくださって、急遽メインを石井館長の横で観戦する豪華で幸運この上ない状況になります。格闘技ファン時代の僕が石井館長の横でヒョードルvsランペイジの試合を見ることになるなんて思いもしなかったし、頑張っていればいいことはあるものです。
石井館長の横で見るヒョードルとランペイジの試合は味わい深いものでした。この試合自体が両選手にファンの思い入れがあって両選手が入場してケージに立つことに意味がある試合です。試合自体はノスタルジックで物足りないものだけれども、歴史を感じるものだし、歴史を作ってきた石井館長の横でこの試合を観れたのは価値のあることです。
ベラトールのスコット・コーカー代表は館長の弟子筋にあたる方だし、PRIDEも石井館長の影響を強く受けているので、館長からすると自分の遺伝子を引き継ぐものたちが作るイベントのように観ているのかと想像を膨らませてワクワクしていました。ワクワクしつつも館長の横はやっぱり気が引き締まるものです。ランペイジジャクソンの腹だけは引き締まっていなかったけど。
僕は思ったことを伝えてしまうタイプです。館長に「館長がやっている大会を見たいです」と伝えてしまいました。館長は「アマチュアの空手を広めていく」との趣旨の話をしてくれてやんわりと否定しておりましたが、僕は館長が創るものが見たいし、ヤマっ気のある格闘技大会が見たいです。アントニオ猪木、石井館長の作るものは見たくなってしまうのは世代なのもあると思うけれど、今見ても彼らの創ってきたコンテンツには圧倒されます。創ってきたものを見てしまうと待望論が湧き上がってしまいます。
2020年。激動の年になるはずです。激動の年をいいものにするためにコツコツやっていきましょう。
文/青木真也(格闘家)