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(試合後の3人は大ダメージ。SNSの暴力性をダイレクトに伝える試合でもあった)

 1月3日、DDTの後楽園ホール大会で、新年早々に物騒極まりない試合が行なわれた。その名も「ノーパスコード・スクランブルバンクハウス・アカウント乗っ取り3WAYデスマッチ」。DDTの“文化系プロレス”を象徴する高木三四郎男色ディーノ、スーパー・ササダンゴ・マシンの対戦だ。

 この試合はリング上に各選手のスマホを(パスコードを解除した状態で)用意し、闘いながら奪い合うというもの。敵のスマホで何をするかというと、ツイッターを使って勝手にツイートしてしまうのである。非常に暴力的な手段での「アカウント乗っ取り」だ。何しろ遠慮というものを知らない3人だけに、試合は予想以上に凄惨な試合となってしまった。

 ササダンゴとディーノは翌日の1.4新日本プロレス・東京ドーム大会への乱入を予告。高木はオカダvs飯伏の勝敗予想アンケートを実施したかと思えば“パパ活”相手を募集し「フォロー&RTで10万円お年玉プレゼント」も実行(されてしまう)。

 肉体以上に精神的ダメージを与え合う展開の中、ついにはディーノのLINE IDまで公開。ボロボロのディーノに高木がスタナー、ササダンゴが垂直落下式リーマンショックを決めて3カウント。

 結局のところ誰も得しなかったようでありつつ、DDTらしさを見せつける試合でもあった。大会2日後、高木に話を聞いてみると「いまだに反響が止まらないですね」と苦笑。

「一番反響があるのは、やっぱりお年玉10万円。“パパ活”は女性からのリプライはあんまりなかったですね。シャレだと分かってるゲイの方からの返信も多かったです。パパ活の意味を知らない普通のお父さんから“お互い子育て頑張りましょう”みたいなリプライがあったのも面白かった(笑)」

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(試合中は場内ビジョンにもツイートが表示。もちろん中継でも流され瞬く間に拡散されていった)

 高木はSNSの登場によって、プロレスの見方、観戦法が増えたと考えている。

「プロレスを見る手段としては、まず会場でのライブ観戦。次にテレビやネット配信で中継映像を見る。それに加えてもう一つ、ツイッターでハッシュタグを追いながらファンの人たちの速報や写真を見るという観戦もあるんですよ。“見たつもり観戦”というのか、言ってみればツイッタープロレスですよね」

 ツイッターで情報を追う行為は、あくまで「見たつもり」でしかないのだが、ファンの熱狂ぶりを感じることもできる。今回の「アカウント乗っ取りマッチ」は、ツイッターそのものをリングにしたプロレスだった。

「ツイッタープロレスをすることによって、会場にいない、中継も見ていない、ツイッターを見てただけの人たちにもより深く届いたんじゃないかと思います。“ツイッター観戦”が主流になられると困るんですけど、それがきっかけで生中継を見始めたり、見逃し配信の数字が伸びるということもあるので」

 新しい見せ方を提示できたと思います、と言う高木。ちなみにディーノの「新日本乱入」予告には、新日本・木谷高明オーナーからの「チケットお持ちですか?」という返しがあった。

「あれはさすがだなと思いましたね。ツイッター上で見事に受身を取ってくれた」

 プロレスラーではなくとも、ツイッター上では“プロレス頭”だけで闘うことができたりもする。それもまたDDTらしいさだろう。DDTらしさを新日本のオーナーが発揮したというのも、また凄い話なのだが。

文・橋本宗洋

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