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(ベルトを奪われた伊藤はバックステージで号泣)

 東京女子プロレスの2020年は、1月4日、5日の2連戦から始まった。4日は恒例の後楽園ホール大会。これまでステージとして使っていた会場北側も客席として開放、1467人という団体史上最高の観客動員となった。何か世間を騒がすようなニュース、プロレスファン全体に響くような“豪華ゲスト参戦”があったわけではない。アジャ・コング、Sareeeの出場はあったが、東京女子プロレスは基本的に“自力”でここまでファンを増やしたのだ。

 この後楽園大会ではプリンセス・オブ・プリンセス、プリンセスタッグ、インターナショナル・プリンセスと3大タイトルマッチが行なわれ、いずれもチャンピオンが防衛を果たしている。インターナショナル王者の伊藤麻希は、アップアップガールズ(プロレス)の乃蒼ヒカリに勝利。テキサスクローバーホールドと同形の伊藤スペシャルから、さらに腕も固める「伊藤デラックス」での防衛成功だった。

 試合直後、サンダー・ロサの挑戦要求を受けた伊藤は、翌日の板橋大会での対戦を指定。インターナショナル王座にふさわしく外国人相手に防衛し、決定しているイギリス遠征、アメリカ遠征に弾みをつけようという狙いもあったようだ。インターナショナルのベルトをプリンセス・オブ・プリンセスに負けない価値のあるものにするという目標もあった。

 しかし、ロサとの試合は予想以上に一方的なものになってしまう。序盤から場外戦で主導権を握られ、その後も劣勢の場面が目立った。伊藤も反撃していくのだが、ここぞという場面で流れを遮られてしまった印象だ。

 サンダードライバーで3カウントを奪い、第4代王者となったロサは、これが「インターナショナル」のベルトであることを強調した。

「私は世界中を旅してきた。ヨーロッパ、カナダ、アメリカ、メキシコ。近々オーストラリアでの試合もあるしMMAもやっている。その経験の分、私が有利だった」

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(ロサの実力に本領が発揮できないまま敗れた伊藤。2日連続の王座戦は間違いなくハードだった)

 これは伊藤にとって悔しいコメントだろう。まさにこれから、ベルトとともに世界に飛躍しようとしていたのだ。実際、現時点でも伊藤のファンは世界中にいる。

「伊藤が、あきらめるのをあきらめればいい。もっと強くなって、また挑戦して、あの緑のベルトは伊藤のベルトだという認識を世界に植え付けます」

 大泣きしながらそう語った伊藤。インタビュースペースでの姿がSNSにアップされると、さまざまな国のファンが反応した。

「かわいそう…」

「伊藤ちゃん泣かないで!」

「伊藤ちゃんを泣かすなんて犯罪」

 大事な試合で負け、涙することで世界中のファンの心を動かす。今の伊藤はそういう存在なのだ。アイドルグループLinQ時代は“個性派”ではあっても中心に位置するメンバーではなかった。そこからレスラーになり、グループ卒業があり、芸能活動よりもプロレスに力を入れて、「あんまり言いたくないけど努力して」、LinQ時代は考えられなかったような形での人気を獲得した。

 インターナショナル王者としての海外遠征は、今回は叶わなかった。しかし海外でファンの声援を浴びることで、よりベルトにふさわしい選手に成長するということもあるだろう。失うことで、「緑のベルト」と伊藤の結びつきはさらに強まった。

文・橋本宗洋

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