「今一番脱げるシンガーソングライター」として注目を集めた藤田恵名が、今度は人を脱がしている。といっても、脱がすのは服ではない。心だ。しかもそれには麻雀が必要だ。「1回デートするより、1回卓を囲んだ方が、人となりがわかっちゃうんですよね」と、趣味の一つである麻雀の“魔力”について、いたずらっぽく笑いながら語った。もともと人の心の裏を読みがちだという藤田に、どのようにして麻雀で人の心を脱がしているのか聞いた。
麻雀歴は約4年。少しずつ覚えていったところ、プロ雀士の知り合いも増え、仕事にもつながった。「本当に棚からぼたもち状態です（笑）」と、悪気なく言うあたり、性格の良さがにじみ出る。シンガーソングライターとして、紆余曲折あった末に、たどり着いたのが「今一番脱げる――」という肩書。それを考えれば、仕事のために始めたわけでもない麻雀で、これだけ仕事がもらえるとは本当に思わなかったのだろう。
麻雀をする機会が増えるほど、あることに気づいた。それが「麻雀は一番人柄が出る競技」ということだ。勝ち負けは当然のこと、4人という人数でやると、対局のテンポや会話など、ちょっとしたところでいろいろなことが起こる。特に負けが続くと、態度が悪くなる人がいるのは、もはや「お決まり」「あるある」だ。藤田は「他人がアガった時に『おおー！』って言える人もいれば、ずっとムキになっている人もいる。芸能界だったら、悪役っぽい方と麻雀してみたら、実はすごく優しいとかあるんですよね。いろんな人間模様も見られておもしろいし、こうやって対人関係って学ぶんだなと思いました」と、しっかりチェックしている。
底抜けに明るそうな印象を持たれがちだが、人の心、思惑には敏感なタイプだ。「この人、本当はどんな人なんだろう」と、常に考えている。その点、秘めた性格がもろに出てくる麻雀は「ショートカットというか、ビシッと分かっちゃいますよね。人の心を脱がしちゃいます！（笑）」と、声を大きくして笑った。「ご飯に一緒にいった時、すごくレディーファーストみたいな人でも、麻雀打つと違うとかありますからね」。男性からすれば、意中の女性と麻雀する時があれば、普段の倍以上の気配りか、もしくは全てをさらけ出す覚悟が必要のようだ。
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