将棋の藤井聡太七段(17)が、朝日杯将棋オープン戦本戦2回戦で、斎藤慎太郎七段(26)に147手で勝利し、ベスト4進出を果たした。大会連覇中の藤井七段は、これで同棋戦16連勝も達成。羽生善治九段(49)以来となる3連覇に向け、あと2つと迫った。
2020年の藤井七段も、成長・充実そのものだ。この日、午前中の対局でタイトル経験のある菅井竜也七段を、168手の熱戦の末に、下した後の2回戦。同じくタイトル経験者の斎藤七段と角換わり腰掛け銀の出だしから、互いの持ち時間を使い切った中盤後半からリードを拡大した。若々しい鋭い斬り込みが目立ったころと比べ、攻防のバランスもうまく取った指し回しも成長の証し。20代を代表する強豪棋士に連勝し、ベスト4入りをもぎ取った。
対局後、藤井七段は「序盤は間合いをはかるような展開になりました。終始難しい将棋だったかなという気がします。少し攻め込まれてしまう中盤になり、あまり自信がなかったですが、こちらが攻める展開になって、少しずつ好転してきたかなと思います」と振り返った。2月11日の準決勝では、千田翔太七段(25)と対戦する。「本当に強敵続きですけど、これまでどおり全力を尽くしたいと思います」と抱負を語った。
藤井七段は2017年度の朝日杯に予選から出場、本戦決勝まで10連勝で自身初の棋戦優勝を達成。全棋士参加の棋戦優勝の最年少記録を更新したほか、準決勝で羽生竜王(当時)に公式戦初対戦初勝利を収めたこともあり、大きな話題を呼んだ。また2018年度もシードにより本戦から出場すると4連勝で連覇。決勝は、現在タイトルを3つ保持する渡辺明棋王(当時、35)だったことで、トップ棋士とも互角に戦える力を証明することとなった。
今年度の成績も37勝10敗とし、勝率も.787まで上昇。デビュー以来、3年連続での勝率3割超えも視野に入ってきた。
(AbemaTV/将棋チャンネルより)