元文化放送アナウンサーで話し方や言葉の著書が多数。自称「会見観察人」として記者会見観察記をブログで展開しているラジオパーソナリティーの梶原しげる氏が、政治家などの失言、謝罪会見が後を絶たない昨今において「鑑とすべき」伝説の謝罪会見、さらに会見の良し悪しを紹介。その理由などを説明した。
梶原氏が他人の謝罪会見に興味を持ち、会見観察人としての活動を始めたきっかけは2014年、“耳の聞こえない作曲家”佐村河内守氏のゴーストライター問題だという。謝罪会見を聞いた梶原氏は「人間の人生はこうもがらりと変わってしまうのか」と思い、謝罪会見などに関する執筆活動をブログなどで開始した。
そんな梶原氏が「やってはいけない」と話すのが、“であれば謝りたい”会見だという。
過去には、現副総理の麻生太郎氏が「日本は治安の良いところ」ということを表現するために「ブサイクな人でも、美人でも、夜中に一人で街を歩くことができる」と話して批判を浴びた。その際、麻生副総理は会見で「気分を害した人がいたとすれば謝りたい」と話して火に油を注いだ。
一方、謝罪会見を経て事態が好転することもある。それが“会見だけは誠実”スタイルだ。これは周囲の声を大事にしよう、生かそう。つまり、イジってもらおうという会見のスタイルらしく、その代表例が昨年に不倫問題を報じられた俳優の原田龍二だという。
「奥さんが『原田、アウト』と言ったことが伝えられた。誰もがダウンタウンの大晦日を思い出すフレーズには、そこまで傷ついていないと思わせる効果があったので、イジリやすく許しにもつながりやすかった」
そう説明した梶原氏が、謝罪会見の「鑑とすべき」と絶賛する伝説の会見がある。それが、1997年に経営破綻した山一證券の野澤正平社長(当時)が行った会見である。
「悪いのは私たちで、社員は悪くありません」
梶原氏によると、野澤氏が涙ながらに発した「社員が悪くないんです」の言葉には「路頭に迷い職を失ったうちの優秀な社員たちを、もしよろしければ使っていただくことはできませんか」という問い掛けが込められていたとのこと。さらに梶原氏はこの会見について「我々、会見観察人業界では、数十年を経て、これを超える記者会見は行われていない」と言い切った。(AbemaTV/『Abema的ニュースショー』)
【映像】歴代で「最も優れた」伝説の謝罪会見
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