2020年1月24日、令和初となる最強最悪のデスゲームを描いた映画『シグナル100』が公開される。シグナルとなる100の行動をすると、自殺するように催眠をかけられた生徒36人の姿を描いた同作品。生き残るための方法は、催眠を解くか、自分以外の全員の死を見届けるか―――。注目の一つとなるのが、次世代スター候補と名高いフレッシュなキャストたちの顔ぶれだ。映画の中のスリルと恐怖とは裏腹に、撮影現場は常に笑いに包まれ、若い世代ならではの熱い団結力に満ちていたという。クラスの一員を演じた、小関裕太、中尾暢樹、福山翔大に、撮影中の思い出を語ってもらった。
「全員がメイン」個性あふれるキャラクター設定
――本日はよろしくお願いいたします。次世代スター候補がキャスティングされていることでも話題の『シグナル100』ですが、今回出演が決まった時の感想から教えて下さい。
中尾暢樹(以下、中尾):これまでのデスゲームをテーマとした作品は、メインの何人かが活躍するというストーリーが多かったと思います。でも今回は、一人ひとり全員に役名があって、役割があって個性があります。全員がメインで、一つの死に、ものすごく意味があるんですよ。そういう部分が、新しい試みで魅力だと思っていたので、参加できるとわかったときにはうれしかったです。
小関裕太(以下、小関):僕は、山田悠介さんの小説や、金沢伸明さんの『王様ゲーム』、映画の『ソウ』シリーズなどの、心理戦の作品が大好きなので、ようやくこういう作品に携われるんだと、めちゃめちゃワクワクしていました。
福山翔大(以下、福山):僕は、この作品で若手キャストが集まるという話を聞いたときに、『バトル・ロワイアル』を超えたいという心意気で、オーディションを受けました。ただ……力が入りすぎて空回りしてしまったというか……。
――どんな風に空回りしちゃったんですか?
福山:オーディションで5つの役を演じたんですが、全部違う奴で演じてやろう!って思ったら、かなりクセが強くなっちゃって。周りの空気が相当引いているのがわかりました。もう一回、時間を戻してやりたい! と思っていたところで、合格したことが分かったので、よかったなと(苦笑)。
――もしかしたら、その心意気が今回のムードメーカーという役柄に繋がったのかもしれないですね。
福山:もしかしたらそうかもしれないです(笑)。
――同世代の若手俳優が36人も揃った現場ですが、撮影中はどんな時間を過ごしていましたか。
福山:撮影が本当に楽しかったんですよ。カメラが回ってないところでは、みんなでディスカッションして、お互いの持つ引き出しを全部引き出して、いい映画にしようって、同じ目標に全員が向かっていました。本当に楽しかったなぁ。
小関:ホテルと学校の行き来で、全員がこの作品だけにずっと集中できたから、より大きなパワーが生まれたのかもしれないよね。
福山:そうだよね。電車で毎日通っていたら、また違う作品になっていたかもしれないです。そうそう、僕は暢樹と相部屋だったんですよ。撮影後に部屋に帰ってきて、2人で「あのシーン大丈夫だったか?」って反省したりして。ホテルに帰ってもずっと話していたもんね。
中尾:翌日のシーンの演技プランを練りながら、一喜一憂して盛り上がってました。
小関:ホテルの3階にフリースペースがあって、夜は8時過ぎくらいからみんな集まってくるんですよ。そこで、お酒を飲みながら、話し合いました。部屋に戻っても台本を開いて、明日のプランを考えられる。とにかくずっと作品に向き合ってました。
まるで本当のクラスメイトのような関係づくり「ガンガン話してどんどんいい雰囲気になっていった」
――みなさんの素顔の部分で印象に残っている出来事はありますか?
福山:裕太がよく歌っていましたね。一番明るかったと思います。
小関:そんなわけないよ(笑)。
中尾:大声で歌ってるから、学校のどこにいてもわかるという。
――ちなみになんの曲を?
福山:お互いがどんな音楽を聴いてるのって話をしたことがあって、僕がTHE ALFEEさんの『星空のディスタンス』を聴いていたら、裕太が「それめちゃめちゃカッコいいじゃん」って。そっからずっと歌ってましたよ。「星空の下の~♪」って(笑)。
小関:聴かせてもらったのが、ライブバージョンで、めちゃめちゃカッコよかったんですよ。クランクアップした後には、みんなでカラオケも行ったよね。
福山:それが歌うまいんですよ、みんな。
中尾:福山君は『紅』歌ってました。一発目にですよ(笑)。
福山:盛り上げなきゃと思って。
小関:みんな盛り上がってましたよ。10代の子もいたので「知らない曲だけど、カッコいい~」って言いながら。
福山:あとさ、いきなり裕太がバク転し始めたことがあったよね。
小関:面白いことしなきゃと思ってたから(笑)。
福山:腹抱えて笑ったもん。
中尾:それに続いて、俺と瀬戸利樹もバク転始めました。
福山:バク転できる人がみんなバク転するというめちゃめちゃ不思議な遊びが繰り広げられました。小関裕太は本当に陽気です(笑)。
――皆さんを見ていると、本当のクラスメイトのように感じます。
福山:素に近い部分で演じることがこの現場の一つの空気でした。お芝居っていうよりも、本当の高校生たちの日常の中で、突如デスゲームが起きたらどうなるんだっていうイメージで演じていたところはあります。
小関:デスゲームというリアルな話ではない分、見ている人がちょっとでも偽物だなって思ったら映画自体が失敗になってしまうような気がしたんです。だからこそ僕らがありのままの姿でデスゲームを体験しているほうが、恐怖感が伝わるんじゃないかなって。それは一つのテーマでした。
中尾:クランクイン前から集まって、フリースペースでも集まって。話す時間がいっぱいあったことは大きかったと思います。ガンガン話してどんどんいい雰囲気になっていって、だれが欠けても同じ作品にはならなかったと思います。
――公開がとても楽しみです! ありがとうございます!
テキスト:氏家裕子
写真:You Ishii