1月18日に『格闘代理戦争 K-1 FINAL WAR』の決勝大会が開催された。前シーズン同様、K-1の団体戦で行なわれたトーナメントの決勝はゲーオ・ウィラサクレック監督のゲーオーズとSKR連合(佐藤嘉洋、城戸康裕、梶原龍児監督)の対戦に。加えてこの大会では、10代スペシャルマッチとして、トーナメントにエントリーしていたティーンエイジャー同士の対戦が3試合組まれた。
中でも注目されたのは加藤瑠偉。KRAZY BEE所属で、魔裟斗氏が「KIDがいた」とそのポテンシャルを見初めた逸材だ。対するは小嶋良羽将(ラウス)。加藤も17歳と若いが、小嶋はさらに年下の15歳、中学3年生だ。
MMA(総合格闘技)の選手である加藤はステップを使いながら左右のフックを豪快に振っていく。逆に小嶋は圧力をかけて蹴り中心に攻撃。サウスポーの加藤に、セオリー通り右ミドルを決めていった。このあたりは極真空手、アマチュアK-1で活躍してきた小嶋の持ち味。打撃の専門家らしい闘いぶりで試合をリードした。
だが加藤のパンチも思い切りがいいだけに威力充分。さらにインローも効果的にヒットし、小嶋も完全には攻めきれない。それでも前に出続けた小嶋。両者疲労が見える中での終盤戦では激しい打ち合いも展開、2ラウンド判定3-0で小嶋が勝利を収めた。
「(加藤の)パンチが強くて効きそうになりました。作戦通りにはいかなかったけど勝つことができました」
そう言って涙を見せた小嶋。倒して勝ちたかったというのが本音だが、注目される舞台でしっかりと地力を出したと言っていい。彼を選抜したチームの監督・不可思は「ちょっと(展開が)違えば負けていた。でも気持ちで負けてなかった」と、その闘いを称えた。
小嶋はK-1ファイターである瑠久の弟。中学卒業後、できるだけ早くプロデビューしたいという。安保瑠輝也と璃紅、レオナ・ぺタスと加藤虎於奈のように兄弟ファイターが脚光を浴びることも多い現在のK-1戦線。瑠久・良羽将兄弟がプロのリングで揃い踏みする日もそう遠くないだろう。