インドネシアにおける総合格闘技の盛り上がりに貢献するローカル・ヒーローが、日本の人気歌手である長渕剛に「似過ぎている」と格闘ファンが騒然となる場面があった。
【映像】「長渕剛に激似」スノトの登場で視聴者騒然(125分頃~)
2月7日にインドネシア・ジャカルタで開催されたONE Chmpionship「ONE: WARRIOR’S CODE」。近年のONEのアジア全域での拡大路線でフィリピンやインドなど、これまで総合格闘技に馴染みのなかった国でもブームが加速しているが、その中でも熱い国の1つが、開催地となったインドネシアだ。そんなインドネシアで絶大な人気を誇るのが、ベテランファイターのスノト。地元では映画に出演するなど、ローカル・ヒーローとしての人気を確立している。
スノトは昨年、両国国技館で開催されたONE日本大会で第1試合を務めている。入場する際に着用するサングラス姿が歌手の長渕剛にそっくりなことから、スノトが登場するたびに試合を中継するAbemaTVの視聴者からはお約束のように「長渕!」「長渕剛そっくりだ」と書き込まれる騒ぎ。今回のジャカルタ大会も例外ではなく、「似てるw」「長渕だ」といったコメントが並んだ。
そんなインドネシアの総合格闘技をリードしてきた35歳のベテランはインドネシアの空手チャンピオンで、幼年期からテコンドー、散打、柔術茶帯と、この国ではいち早くMMAに身を投じた格闘ジャンキーの1人。「長渕剛似」と紹介したが、トレードマークのサングラスはニックネームにもなっている「ターミネーター」アーノルド・シュワルツェネッガーを意識したものだ。
スノトは貧しい家庭で育った。また、兄弟が知的障害を抱えていたため、スノトは学業を諦め、若くしてクリーニング屋の宅配と羊飼いの仕事の傍ら、人知れず深夜に武道に打ち込み己の肉体を鍛えてきたという。前述のアマチュア大会での優勝など経歴を経て、27歳のときにプロ格闘家としてやっと生計を立てられるようになったそうだ。
ジャカルタ大会では、23歳の地元の新鋭・ヌラル・フィクリと対戦。自ら切り拓いたインドネシアMMAの若い力を退けた。序盤でフィクリを、得意の打撃でフラッシュ気味にダウンさせるとテイクダウンを奪うなど、あやわKOまで追い込んだ。3ラウンド通してスノトが上になるシーンは多かったものの、トップポジションで決め手を欠き課題も残した。3-0の判定勝ちは、ONEでの通算10勝目となった。
昨年、日本大会直前に受けた公式インタビューでは「まだまだ(格闘家として)発展途上」とさらなる伸びしろをアピールした35歳。肉体を鍛え続けるストイックな姿は「インドネシアの長渕剛」という風貌そのままの不屈の精神の持ち主といえる。