序盤から倒せる展開だったが、相手をじわじわと痛め続け、鮮血で顔が真っ赤に染まっても容赦なく殴り続ける。女子の闘いで繰り広げられた流血シーンを目の当たりにした解説陣が「意地が悪い」「冷酷に痛めつけに行ってる」と口にするほど、16歳とは思えないタイのJKファイターの強さ、ふてぶてしさが際立った試合だった。
2月11日に新宿FACEで開催されたRISEの女子大会「RISE GIRLS POWER2」で、タイのJKファイターことスーパーガール・アンナが、韓国のキム・スヨンの顔面を鮮血で染める圧巻の勝利を飾った。1Rから“いつでも倒せる”展開にもかかわらず、倒さずに痛めつけるその姿は、ムエタイの破壊神であり、那須川天心のライバルでもあるロッタンを彷彿させる。ネット映像などでその強さが関係者の間でも話題になっていたアンナ。特に“ヒザ蹴りに注目”との触れ込みもあったが、その得意技を封印したままキムを捻じ伏せた。
序盤から次々と精度の高いワンツーをキムに当てていくアンナ。すると開始30秒で鼻から鮮血が飛び散ったキムの顔面がみるみる変化していった。キムも必死で反撃に出ようとするが、力強いカウンターを浴び、鼻からの出血はさらに壮絶なものに……。試合を中継したAbemaTVの視聴者からも「鼻血がすごい」「鼻はだいじょうぶ?」「折れてるのでは……」など心配の声が。
本来は蹴りに定評のあるアンナだが、面白いくらいにパンチが当たり余裕ができたのか、肩の力を抜いて首を傾げながら余裕のポーズでローを放つ場面も。キムの出血が酷くなりドクターチェックが行われたが、試合再開後、強烈なロー2発に腰が引けたキムの顔面に右ストレートを打ち込んだアンナがダウンを奪った。残り1分半は、アンナがキムを殴る蹴るという一方的な展開になった。
しかし、それでもキムは倒れない。解説を務めた元女子キックのレジェンド・神村エリカは「スヨン選手は打たれ強いですけど、もうちょい頑張って欲しいな。でも、ここまでくれば応援したくなる」とエール。一方のアンナに対しては「ここまで行くと、倒しきらないのは意地悪ですよね」とコメント。もはやサンドバック状態でキムを殴り続けるアンナを見たゲスト解説でRISE-61kg級王者の白鳥大珠も「冷酷ですよね。痛めつけてる感が凄い」と漏らすほどだった。
ラウンドが進むごとに若干の疲労が見え始めたアンナに対し、キムも顔面へのパンチからのローなどで反撃をしたが、アンナ優勢は揺るがず。3ラウンドを終え、判定でアンナが勝利を手にした。得意のヒザも出さずに3R・9分殴りまくったアンナのスタミナを白鳥は「末恐ろしさを感じる、正にスーパーガールという戦いぶりだった」と評価した。
試合後には「日本に来るのが夢だった」と語り、大の日本マンガ好きを公言するなど16歳らしい一面を見せたアンナ。そんな様子に視聴者からは「笑顔かわいいなアンナ」「足長すぎ、顔ちっさすぎ」「スタイル良すぎ」などの声が上がっていた。中には「スタンプ(フェアテックス)より強そう」とタイ人でムエタイとキックでONE女子2冠女王となったスタンプを挙げる贔屓目の声もあったほど。「スーパースター・アンナ」から、今後も目が離せない。