『パラサイト 半地下の家族』がアカデミー賞4冠に輝き、韓国に注目が集まる中、中央日報が12日、「大統領府がGSOMIA破棄を再検討」と報じた。混乱の末、昨年11月に“一時的な措置”として期限直前で破棄を先送りした韓国政府。6日には康京和外相が「終了の効果を暫定的に停止させたものであり、いつでも終了させる権利を持っている」と述べるなど、ここにきてGSOMIAの問題を再び俎上に上げる狙いは何なのだろうか。
ジャーナリストの崔碩栄氏は「また破棄の話を持ち出せば国際的な信頼を落とすことになる。あくまでも国内の反応を見るためだろう」、国際政治学者の舛添要一氏は「朴槿恵政権の時にも反日というものは相当あったが、文在寅政権はより反日をテコにしている。政治的にも利用している感じだろう。しかし“在韓米軍の駐留費用を倍払え”と言ってくるトランプがいるので、そう軽々には動けないはずだ。やはり選挙を控えているからということもあるのではないか」との見方を示す。
舛添氏が指摘するとおり、4月15日には総選挙が控えている。元経産官僚の宇佐美典也氏は「3月に入ると選挙戦の中で反日気分が盛り上がり、“GSOMIAはどうなった”とつつかれることになるだろう。それが嫌なので、今から“処理している”と見せておこうという世論対策だろう。前回は貿易問題を協議し、“次回はソウルでやりましょう”ということになったが、そこから進展がない、今回は、“では日程を決めましょう”ということで落とし所が決まっていると思う」と推測した。
選挙に向けた情勢について崔氏は「不支持率が上回ったとはいえ、2年以上経った政権で支持率がここまで高いケースはあまりいない。与党の支持者たちは総選挙を“日韓戦”だと言っている。つまり“親日派の野党でいいのか”という方向性に持っていっている。それでも与党に期待していた人たちの中にはがっかりした人たちも多いので、議席を大きく失うだろう。一方、野党もまともな政策をやっているわけではない。“あっちよりはマシだ”というところはあるのだろう」。
宇佐美氏は「文政権はこれまでの政権とちょっと違って、。朴槿恵を倒すためにということで、ある種クーデターで生まれた政権だ。それを否定することは、自分の過去の行動を否定することになってしまう。いわば自分を守るために支持している人が多く、“保守的に支持する”という感じだろう」と話した。
作家の乙武洋匡氏は「韓国の方に話を聞くと、日本に対する悪い感情はないが、旅行に行って日本の写真をインスタに上げることがなんとなく気が引けるので、旅行先には選ばないと言っていた。今年に入ってからは新型コロナウイルスで中国人も来なくなっているし、日本の観光地は痛手を受けている」とコメントしていた。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)
▶映像:「パラサイト」快挙のウラでGSOMIA再破棄も 韓国ムン政権の切り札は日本叩き?
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