2月28日にシンガポールで開催されたONE Championship「KING OF THE JUNGLE」に出場した44歳・秋山成勲が、ジェリフ・モハメド(エジプト)と対戦し、見事な右カウンターで1ラウンドKO勝利。およそ6年ぶりとなる白星を挙げた。
対戦相手のモハメドはレスリングをバックボーンに持つエジプトのMMAファイターのパイオニアで、異名はシャーク(鮫)。そのあだ名を意識したおどろおどろしいマスクを被り登場したモハメドは前回、一階級上のミドル級で参戦しており、筋骨隆々の体が際立つ選手だ。
試合は序盤こそ大振り気味に突進してくるモハメドのスタイルに困惑し、組み付かれるシーンもあった秋山だが、前に出る相手を冷静に見極めながら試合を進める。AbemaTVでスペシャルゲストを務めたキックボクサーの那須川天心が開始1分で「もうそろそろ疲れると思います」と指摘したとおり、モハメドはすぐにガス欠ぎみになり肩で息をしはじめた。
試合が動いたのは残り2分。秋山が放った強烈な右のスネを狙ったカーフキック、これが効いたモハメドは露骨に後退し、動きを止めた。痛みをこらえて突進を再開すると、秋山が下がりながら、狙い済ました右のカウンターを一閃。脳を揺らされたモハメドは、つまづくように足を泳がせ、バタバタと崩れ落ち、レフェリーが試合を止めた。
秋山復活劇の一方、右のカウンターで意識が飛び、体をくねらせるようにリングに沈んだモハメドのダウンシーンにも注目が集まった。AbemaTVの視聴者からは「欽ちゃん走り」「漫画みたい」「かわいい」「倒れ方が面白すぎる」といった声が上がったが、試合後、秋山とアツい抱擁をかわし、何度も秋山の背中を叩きながら健闘をたたえ合うモハメドの姿には「愛されキャラ」といった意見まで聞かれた。
その後、久しぶりとなった総合での勝利にマイクを握った秋山は「これが私のマーシャルアーツの旅の始まりです」と40代での格闘家としての再スタートについて宣言。予定されている韓国大会への出場意欲をアピールした。
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