こんにちは。青木真也です。日焼けサロンには行ったことないです。
2008年にDREAMという当時のメジャー格闘技団体で秋山成勲さんに対戦要求をして、当然のように実現しませんでした。その後互いに他団体に所属になったこともあって、縁がなかったのですが、12年経った2020年に偶然に同じ団体に所属して、階級も微妙に近くなって、松井珠理奈さんと解説席が一緒で気を良くした僕が「対戦しましょう」とポップに呼びかけたところ、この件がしっかりとニュースになっておりました。解説席で解説をするだけではなく、話題を作って仕事を作っていくレスラーの鏡であります。
実現するかどうかはわからないし、僕が本当にやりたいかどうかもよくわからないのですが、少なくとも青木真也の1つの人格はやりたいのであろうし、それはそれで尊重して、経過を見守ろうと思います。
秋山さんは44歳。僕も36歳になりました。
36歳の僕も現役選手としてはベテランの領域に入るのですが、秋山成勲さんや宇野薫さんの世代が最年長世代として存在しています。年齢は数字だと強がったところで年齢からくる衰えは確実にあるし、現にパフィーマンスは下がっていると思います。それは僕自身でも感じることですし、更に年齢が上の世代はなおさら感じていることのように思います。どんなに意地を張って、突っ張っても老いからは逃げられません。少なくとも僕は今からベストのパフォーマンスが出ると思ってはいないです。
年齢を重ねたファイターを見ていて感じるのは、とにかく楽しそうです。宇野薫も北岡悟も秋山成勲もみんな楽しそうです。40歳過ぎて元気に練習して、パンツ一丁で観衆の前で取っ組み合って、本当に楽しそうなのです。これは先日ノアのリングで活躍していた藤田和之さんを見ても同じことを感じました。みんな本当に楽しそうに闘っているし、勝敗によってその場の一喜一憂はあれど、豊かな人生を送っているように見えます。そう考えると老いも悪いことだとは思わないし、そのときを懸命に生きることの大切さを感じます。
2008年に実現していたら互いに元気ないいパフォーマンスでできたことでしょう。
今やっても今の味わいがあって、互いにいいものにできるのだろうなとも思っております。もう何もかも手遅れかもしれない。だが今となっては今が一番早い。そんなマッチメイクだ。
ただし、残り少ないベストパフォーマンスを発揮できるであろう自分の現役生活をノスタルジックなレジェンドファイトに消費していいのかと思っています。自分には今しかできないことがある気がするし、今の現役のトップと刃物を突きつけ合うような闘いをもう少しだけやりたいとも思っています。
今を懸命に生きていきましょう。今は試合のオファーをじっと待って、自分を磨いていきます。
文/青木真也(格闘家)





