ヘアケアブランド「LUX」(ラックス)で知られるユニリーバ・ジャパンが採用時に提出する履歴書から顔写真の添付や性別の記載を“排除”したことを発表し、話題を呼んでいる。
ユニリーバ・ジャパンは、無意識に生じる性別への先入観について社会に発信し、実際に取り除くアクションを起こす「LUX Social Damage Care Project」をスタートし、履歴書に顔写真、性別、ファーストネームを不要とした。この取り組みについては、3月6日に新聞広告が掲載されて話題を呼んだ。
同社が書類審査を担当することがある会社員、会社経営者を対象にアンケート調査を行ったところ、「採用過程で男性と女性が平等に扱われているか」という質問には約25%が「扱われていない」と答えており、「履歴書に貼る写真が採用の有無に影響すると思うか」という質問には約40%が「すると思う」と答えており、採用に“無意識に生じる性別への先入観”が影響する可能性があることが明らかとなった。
上記の調査結果などを踏まえて、同社は6日の採用選考から顔写真なしで、個人の適性や能力のみに焦点を当てた採用活動を行なうことに踏み切った。これは新卒、中途などいかなるルートの採用でも徹底されるという。
「LUX」のブランドマネージャーは「少しでも多くの方々が日本社会や自分の周り、自分の中にあるかもしれない性別に対する固定観念について考えるきっかけになることを願っている」とコメントしている。
コメンテーターでハフポスト日本版編集長の竹下隆一郎氏は「固定観念は誰しもが持っているものだと思います。あるオーケストラがいつの間にか男性中心になっていたため、ある時カーテンを閉めて誰が演奏しているかわからない形でオーディションしたところ女性が増えたということがあったそうで、無意識のうちに『男性が演奏しているから上手だ』という先入観があったのかもしれない」とコメントしている。
(AbemaTV/「けやきヒルズ」より)