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 11日の夕方以降、Twitter上に溢れた“孫さん”というワード。前日に「久しぶりのツイートです。新型コロナウイルスの状況を心配しています」とTwitterに投稿、その動向が注目を集めていたソフトバンクグループの孫正義会長が、ついに連投を開始したのだ

 「新型コロナウイルスに不安のある方々に、簡易PCR検査の機会を無償で提供したい。まずは100万人分。申込方法等、これから準備。」「本日厚労省を訪問しました。医療崩壊を起こさないよう連携しながらやっていきたい。」等、検査の流れを記した図とともに表明した。

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 しかし、Twitter上では医療関係者も含めた多くの人から懸念を示す声が相次ぎ、孫氏は「検査したくても検査してもらえない人が多数いると聞いて発案したけど、評判悪いから、やめようかなぁ。。。」と投稿。その後の動きはストップしている。

 孫氏が提案した「簡易PCR検査」の流れを見てみる。まず、孫氏の組織が検査を希望する人の自宅や介護施設に検体採取キットを送付。本人が検体を採取後、検査協力会社などに送付。ここで検査が行われ、結果が報告される仕組みという仕組みだ。

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 これについて、聖路加国際病院QIセンター感染管理室の坂本史衣マネジャーは「正直、ちょっとびっくりした。何かしたいという気持ちは嬉しいが、この検査の流れを見ると、それぞれの部分にクリアすべき課題がたくさんある」と指摘する。

 「まず、正確な結果を出すためには、インフルエンザの検査の時のような、鼻の奥に細長い綿棒を入れる方法が推奨されている。これを自分でやるのはかなり厳しいと思う。次に、検体は冷蔵・冷凍して輸送しなければならないといった決まりがある。そして、ほとんど症状のない方も含む多数の検体が検査会社に届いた場合、技術者が不足しているということもあり、重症者の方の検査が後回しになってしまうかもしれない。加えて、この検査キットがどういうものかはまだよく分からないが、一般に行われているPCR検査には限界がり、本当は感染しているのに陰性と出てしまったり、陽性と出たのに感染していなかったり、ということがあり得る。陽性と出た方々が駆け込んで来ることによって医療機関がパンクしてしまうとか、本当は感染しているのに陰性と出たとで安心し、感染を広げてしまうということが懸念される。つまり、この図に書いていない、その後を考えなければいけない。現状の医療資源から考えて、検査は新型コロナウイルスの患者さんを死なせないということのために使われないといけない」。

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 孫氏の投稿に対し即座にYouTubeで“反論動画”を公開した経済評論家の上念司氏は「これでは解決策にはならない。金を出すならワクチン開発やマスク生産に乗り出してくれれば、皆も感謝すると思う」、スマートニュース社の松浦シゲキ氏も「IT企業として、リモートワークのための機器や教育分野でポジティブな解決策を提案すべきだ」と要望した。

 また、ジャーナリストの堀潤氏は「それまであまり生出演してこなかった孫さんが、福島第一原発事故後、僕がNHKでやっていた経済ニュース番組に1時間も出演してくださった。かなり動揺されていて、放射能汚染の広がりに対し、これだけ無警戒でいいのかという問題提起を一生懸命されていた様子がすごく印象に残っている。その後、さまざまな批判も受けたこともあり、被災地の子どもたちを海外の大学に留学させる仕組みを作ったりされた。今回も不安の声が孫さんに集まったことで、自分は何をやるべきなのかと考え、次の方法を考える方向にシフトしていくと思う」との見方を示した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

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