3月22日にさいたまスーパーアリーナで開催されたK-1「K'FESTA.3」で、K-1 WORLD GPウェルター級王者・久保優太(サラバニアファミリー)がジョーダン・ピケオー(オランダ)と対戦し、過去日本人全勝の難敵を相手に3-0の判定で完封勝利。試合後は離婚危機が囁かれていた妻・サラに「もう一度、僕と付き合ってください」とリング上で再告白。王座陥落と離婚危機を見事に回避した。
久保にとって今回の試合は一世一代の大勝負だった。日本人キラーとして次々と日本のK-1ファイターをなぎ倒してきたピケオー攻略、プライベートでは「負けたら即離婚」という、サラ夫人との離婚危機の2つの課題を抱えて臨んだ試合だ。
久保は「闘う投資家」としてトレーダーとファイターを両立する頭脳派。しかしK-1の舞台で王者として勝ち続けるも試合数は減り、株での大損で今や「借金王」に。加えてサラ夫人との関係も危うくなるという危機的状況。家庭のケンカの内容を久保がツイートする悪癖が災いし、夫人に「久保さんに惚れる要素が見つからない、試合に勝って惚れ直させて。負けたら離婚です」と突き付けられていた。
短く刈り上げた黒髪に並々ならぬ決意を感じさせた久保。試合前には「ピケオーに頭脳戦を仕掛ける」と宣言していたが、その宣言どおり、序盤から左ミドルを軸にピケオーの攻撃の芽を巧みに摘んでいく。優れたディフェンス能力ですり抜けながら要所で、ピケオーのボディへミドルキック、さらにインローなども当てていった。
2ラウンドも集中力を切らさない久保は、冷静にコーナー際でのボデイの連打で追い込んでいく。ピケオーも強靭なフィジカルを活かして跳ね返す一進一退の展開となった。
3ラウンドになると強引に前に出たピケオーに対して、久保のボディへのミドルやインローが冴える。ラウンド終盤にはピケオーがペースを掴むも、決定的な仕事はさせずにラウンドを終えた。判定ではジャッジが3-0で久保を支持し。全ジャッジが「30-29」という接戦で久保が王座を防衛した。
試合後にマイクを取った久保は「今日は何が何でも勝たなければならなかったので、2ラウンドは効かせながら3ラウンドはポイントアウトして…」とあくまで勝ちにこだわったことを明かし「観てる皆さんにKOを見せることができなくて申し訳ないです」と控えめに挨拶。
さらに「ピケオー選手が強くて、プレッシャーと不安で不眠症になってしまいました」とここまでの苦しかった胸の内も明かした久保だが「勝って妻のサラちゃんにもう一度僕と付き合ってくださいと告白したいんです」とベルトを掲げて夫人を呼び込んだ。
リングに上がったサラ夫人に「もう一度、僕と付き合ってください」と片膝をついてベルトを差し出すと「OKです。友達から仲良くしてください」と王座陥落だけでなく、離婚の危機も回避した久保。
一方、リングを降りて「離婚は回避しました」と答えたサラ夫人は、「冷や冷や、汗汗…どっちが強いのかよくわからなかったけど、殴られても戦う姿に『あぁ、この人(久保)はすごいんだな』と感動しました。尊敬しました」と笑顔で語った。
なお、AbemaTVで解説を務めたタレントの関根勤は、この様子に「試合は勝ったけど、私生活はドローだね」とコメントした。