五輪延期“1年程度”の妥当性は? IOC委員「桜の時期に」発言で“桜五輪”の可能性も?
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 東京オリンピック・パラリンピックの“1年程度”の延期合意から一夜明け、国際オリンピック委員会(IOC)の委員からは2021年春に開催する“桜オリンピック”の可能性が指摘された。

 IOCのバッハ会長は延期の理由について「選手と関係するすべての人の健康を守るためにこの結論に至った」とインタビューで回答。この2、3日におけるアフリカや南米での新型コロナウイルスの感染拡大が懸念材料だったと明らかにした上で、東京オリンピック開催の意義について「私はこの東京オリンピックが前例のない未知のウイルスを乗り越えた、人類にとっての祝祭になると思っている」と話した。

 延期は“来年夏まで”とされているが、開催はいつになるのか。イギリスのIOC委員クレイグ・リーディー氏はANNの取材に応じ、「もし来年の夏ではなくもう少し早くなる場合、桜の時期に大会を開くことはできるだろうか。東京あたりでは適した時期だろうか」との認識を示した。

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 外国人旅行客からも絶大な人気を誇る、日本の桜。春のオリンピック開催について、街の人からは「春でもいいと思います。夏は暑いのでいろいろ大変かと」「(春は)催し物がいっぱいあるので、それさえ融通がきけばいいかなと。でも一番はアスリートの方が春に調整できればいいと思う」といった前向きな声が聞かれた。

 “東京オリンピック延期”の決定について、世間が受けた衝撃はそれほど大きくはなかったようにも思われる。『ニューズウィーク日本版』編集長の長岡義博氏は「情報コントロールが上手だったと思う。外堀を埋めるような形で『延期しかない』という雰囲気を作り出した」との見方を示す。

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 東京オリンピックがちょうど1年ずれて来夏開催となった場合、7月は世界水泳、8月は世界陸上と時期が重なる。この点について、国際水泳連盟は開催時期変更に前向きな姿勢を示し、日程について柔軟に関係各所と協議するとしている。また、世界陸連も延期決定を歓迎し、世界陸上を2022年に延期すべく調整するという。こうしたスムーズな対応に「(夏開催で)根回しが進んでいるのではないか」と長岡氏。

 長岡氏は1988年のソウルオリンピックと同じ秋が夏季五輪開催に適した気候だと指摘するが、9月からはアメリカのプロスポーツで最大興行を誇るNFLのレギュラーシーズンが始まり、そこに被らないことが前提だともされている。

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 また、関西大学の宮本勝浩名誉教授の試算によれば、東京オリンピックを1年延期した場合の経済的損失は約6408億円に上るという。長岡氏は「そもそも夏のオリンピックが終わったら経済はガクンと落ちると言われていた。それが先延ばしになると、意外にダメージコントロールができるのではないか。一方で、言葉は悪いが新型コロナウイルスで特需が起きている業界もある。プラスとマイナスで相殺する部分もある」とした。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

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