雨降って車券固まる?雨の中の競輪で考えること 安全重視で「先行有利」

 例えばプロ野球。野外の球場で雨が降ったらどうなるでしょうか?霧雨程度なら試合は行われますが、グラウンドに水たまりができるほどの雨が降ったら中止になります。

▶中継:高知 G3 初日 よさこい賞争覇戦

 一方、サッカーではびしょ濡れになるほどの雨が降っていても試合は行われます。台風レベルの土砂降りなら中止になるでしょうが、強めの雨でもプレイ続行です。

 さて、競輪はどうかというと、判断基準はサッカーと同じ程度と言えるでしょう。台風や嵐でなければ、強めの雨でも開催されます。強風が伴うと転倒の危険が高まるので中止になりやすいですが、風がほとんどなければ路面がびしょ濡れになる雨でもレースは続けられることがほとんどです。

 そうなったとき、雨はレース展開にどのような影響を与えるのでしょうか?

 まず、路面が濡れるとペダルを踏むのが重くなると選手は言います。となると、自力先行で踏み続けている選手はタレてしまって差しや捲りが決まりやすくなるのかというとそんなことはなく、先行有利になるのです。

 その理由のひとつに「水しぶき」が挙げられます。私たちが乗っている市販の一般的な自転車には泥よけが付いているので水しぶきが後ろに飛ぶことはないですが、選手の乗っている自転車には泥よけはありません。結果、後ろの選手はゴーグルを付けていても周りが見えなくなるほどの水しぶきを浴びてしまいます。

 周りが見えなければ仕掛けのタイミングがわからない。とにかく前の選手に付いていこうということになり、逃げが決まりやすいというわけです。

 前に出るタイミングがわからないというのに加えて、路面が滑りやすいのであまり横に動きたくないというのもあるでしょう。外帯線、内圏線、イエロー・ラインといった塗装されている線を踏むと滑りやすい。雨の日に自転車で走っていて、「止まれ」の文字の上に乗って滑ったという経験はありませんか? あれと同じです。変に動いて濡れた線にタイヤを乗せてしまって転倒することがないように、まっすぐ走ろうとする。安全第一という心が働くのも無理はありません。

 今日は雨だから安全重視でとなれば、捲りを打つこともなくなるので、先行意識の高い選手がそのまま逃げ切るレースになりやすいのです。

「雨の日は先行有利」

 ちなみに競輪には「先行一車は黙って買え」という格言があります。脚質「逃げ」の選手が1人しかいなかったら、その選手が勝つ可能性が高いという格言。これに雨が加わったら、鉄板になるでしょう。さらにその選手が捲りよりも先行して逃げる意欲が強く(出走表にある決まり手で「捲」よりも「逃」の回数が多く)、つっぱり先行型であれば(出走表のSとBの回数が他の選手よりも多め)、そのラインで決まる可能性はさらに高まります。鉄板というよりも鋼鉄といった感じで。

「雨のつっぱり先行逃げイチはラインそのまんまで鋼鉄車券」

 ただでさえつっぱる選手を、落車のリスクが高い雨の日に徹底抗戦してやろうという意欲は湧かないはずです。ただ、例外として期末で得点が足りなさそうなベテラン先行型選手や、ガツガツしている一部の若手選手は「他の選手が大人しい雨の日は逆にチャンス!」とばかりに攻めてくることもありますので、注意してください。

 基本的には「雨に日は堅く決まる」。

 ネットで検索すれば、ピンポイントで競輪場の天気予報が見られます。1時間ごとの予報が見られるものもありますので、予想に生かしましょう。ちなみにそのとき、風の予報も確認してください。風速10メートルレベルの暴風であれば、恐らく中止になりますが、5メートルくらいの強風だと中止にならない場合があります。このときは雨が降っていても荒れる可能性があります。雨が降らずに風だけ強いときは、荒れる可能性が高まります。

 レース展開予想における風の影響はバンクの長さと風向きでいろいろと変わってくるので、別の機会に詳しく説明いたしましょう。

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高知 G3 初日 よさこい賞争覇戦
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