新型コロナウイルスの感染者数が世界最多となっているアメリカでは、人工呼吸器が足りず医療現場は崩壊の危機に直面している。中でも、アメリカ国内の感染者33万人以上(6日午前6時現在)のうち、約12万人を抱えるニューヨーク州は深刻な状況で、現地在住の日本人フリーアナウンサーからは、“都市封鎖”されすっかり変わってしまった大都会の様子と、東京が二の舞にならないかという心配の声が寄せられている。
ニューヨークは先月22日に住民の外出などを禁止する、いわゆるロックダウン、「都市の封鎖」に踏み切った。ロックダウンで「眠らない街」はどう変わったのか―。そして市民生活はどうなってしまったのか―。ニューヨーク在住の日本人フリーアナウンサー早川茉希さんが現状を語った。
-街の変化はどうですか。
早川アナ 外出禁止令が発令された直後は、市民が買い占めに走って、スーパーはほとんど物がなくなっていたり、トイレットペーパーも全然見つからなかったんです。今ではみんな外出を自粛していて、街も人は少ないですし、それと同時に食料もだんだんと補充されてきています。
かつてマスク文化のなかったニューヨークでも、今やマスクは欠かせないという。
-仕事環境の状況はどのようなものでしょうか。
早川アナ 外出制限と同時にほとんどの人が在宅勤務を義務付けられています。私の夫も3週間ほど前から在宅勤務が始まっていてリビングで仕事をしています
-ニューヨークは死者も多いですが、いつ自分がかかってもおかしくない怖さはありますか。
早川アナ もちろんあります。私の友人のマンションでも感染者が出たという話も聞きますし、近所のスーパーのスタッフも感染したと聞いています。かなり身近な存在に感じています。同時にもしかしたら自分に自覚症状がないだけで感染しているかもしれない、他人に移すリスクがあるかもしれないという危機意識を持つようにしています。
-検査をしたり病院にかかったりというのはNYではどのような状況ですか。
早川アナ 自覚症状があった場合は病院に連絡するんですけど、今かなり医療現場はひっ迫していて、新たな患者の受け入れは厳しい状況になってきているらしいです。オンラインでの診察がかなり多いみたいです。
また、今の不安は「感染の不安」だけでなく「治安の悪化」もあるという。
早川アナ 最近地下鉄で火災が起きたり、アジア人へのヘイトクライムも増えていて、日本人が黒人グループに拘束されたという話も聞くので、1人で外を歩くのは怖くなってしまいました。
-アジア人であることが原因でそうなったということですか。
早川アナ そう考えている人も少なからずいると感じています。特に流行りだしたときはアジア人がマスクしているとすごく嫌がられたりしました。
こんな状況であれば帰国したいと願う日本人も多そうだが、そうもいかない。
-飛行機などは予約出来る状況ですか。
早川アナ 飛行機はニューヨーク-東京便でかなり減便やキャンセルが相次いでいまして、そのためにスケジュールが立てられない、帰国したくてもなかなかめどが立たないという人はたくさんいます。
当初、ニューヨークでは「遠いアジアの話」と甘く見ていた人も多くいたというが、今では日本の状況を懸念するニューヨーカーもいるという。
-ニューヨークは深刻化する前は、どのような状況でしたか。
早川アナ 最初、流行り始めたころは遠いアジアの話という認識でみなさん外出されていたんですけど、だんだん感染者が増えて死亡者数も増えるに連れて、これはただごとではないという認識を持つようになりました。今では逆に「日本人大丈夫か」っていう風にアメリカ人も心配するくらいですね。
-それはどういうことですか。
早川アナ お花見に出かけている人がいるとか、電車に乗っている方がいまだにいるっていうのを聞いて、ニューヨークと東京で環境は違いますけど人との距離はすごく近いものを感じるんです。そういった面でもニューヨークの二の舞にならないといいなという思いはみんな持っています。
(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)
▶【動画】東京は“都市封鎖”NYの二の舞を避けられるか
■Pick Up
・「ABEMA NEWSチャンネル」がアジアで評価された理由
・ネットニュース界で話題「ABEMA NEWSチャンネル」番組制作の裏側