「私が感染したら、誰が子ども達の面倒をみてくれるのか。給付の手続きにも子どもを連れて行かなければならない。感染が怖い」(シングルマザーの声)。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために発令された「緊急事態宣言」、そして「緊急経済対策」。しかし、国や自治体の支援や対策からこぼれ落ちてしまいそうな人たちがいる。
NPO「全国女性シェルターネット」の北仲千里共同代表によると、経済状態の悪化や自宅待機などによる家庭内の児童虐待・DVの悪化、件数の増加が懸念されるという。実際、「家にいる夫のストレスが溜まり暴力を振るわれた」「これまで以上に夫の監視が厳しくなった」といった被害相談が寄せられているという。また、そうした家庭の子どもを受け入れる児童養護施設からも不安の声が聞こえてくる。児童養護施設「さんあい」の高瀬一使徒施設長は「子どもが感染していれば濃厚接触は不可避。しかし、子どもたちには他に行ける場所がない。施設内で隔離となった場合も、現状では感染防護用具(マスクやゴーグルなど)が用意できないので、優先的に医療機関に入れるなどの施策をしてほしい」と訴える。