「お客様のために頑張れているが、このままでは誰が倒れるか分からない」アキダイの秋葉社長が訴えたスーパー業界の苦境
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 新型コロナウイルスの感染防止のための休業要請が行われる中、“社会生活を維持するうえで必要な施設”として営業を継続していている場所の一つがスーパーマーケットだ。

 しかし、元々人手不足が続いていた中、学校の一斉休校も同時に行われていることから小さな子どものいる家庭への対応、高校生アルバイトの出勤停止措置に伴うシフト調整、本部からの応援、営業時間の短縮など、実に約半数の企業が従業員確保に苦慮しているという。

  14日の『ABEMA Prime』に出演したスーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長は「女の子たちが家でお菓子作りをしているということで、実は小麦粉やバターといったものも足りない」と、意外なものが品薄になっている実態も明かした上で、外出自粛要請や外食産業への休業要請によって多くのお客様に食料品を求めて来ていただいているので、人手不足というのがさらに増している状況だ。私も業界に30年以上いるが、お客様の入り方も物の売れ方も初めてで、年末の忙しさがずっと続いているような感じがする。お子さんが休校になったので来られませんという方も何人もいる。それが1カ月以上になるので、正直言って自分たちも疲れてきている」と明かす。

 「除菌スプレーの設置やレジ係などではゴム手袋をはめさせて頂いている。また、顔を防護するようなものも取り寄せるなど、色々なことをやっている。それでも人と会うことで感染リスクが非常に高まるということだし、少ない人数で1日に2000人近いお客様の対応をしなければならないことにスタッフたちは不安な気持ちでいる。マスクも必ず付けるようにはしているが、どんどん減ってしまうので心配だ。やはり、疲れてしまうとウイルスに負けてしまうということにもなりかねないので、このまま続いていくとなると、誰が倒れるか分からない。私としても、スタッフを危険な状況に置いていることが心苦しい」。

 また、休業補償の問題については「お店を閉めさせられているから補償して欲しいという議論が多いが、どの企業でも、どの業種でも、国に面倒を見てもらいたいという気持ちはあると思う。うちのスタッフも、収入はたくさん欲しいし、特別手当などももらえれば嬉しいだろうと思う。うちも国から支援があれば、働いてくれているスタッフに還元していきたいと思う。しかしこの緊急事態の中では、お金だけで頑張れるということではないと思う。この仕事というのは、ずっと続いていく。その中でお客様が付いてくれた。そのお客様が求めてくれているので、それに応えなければならないという使命感、それが頑張れている要因だと思う。やはり医療機関や銀行などもそうだと思うが、私たちの生活を守ってくれている働き手の皆さんに対して、国が危険手当のようなものを出すべきではないか。少しでもお金が出れば、職を失った方の中から、やりたいという方が出てくるかもしれない」とした。

「お客様のために頑張れているが、このままでは誰が倒れるか分からない」アキダイの秋葉社長が訴えたスーパー業界の苦境
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ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「この状況が5月で終わるのか、あるいは夏まで続くのか、それとも年末、来年の夏…と続いていくのか。そこが分からないからこその不安だと思う。そうしたことが予めわかっていれば、スーパーや流通にどんと人を増やすといった最適化も可能だ。飲食業界も、あと少しで回復するのであれば店を続けてみようといった判断もできる。そこが悩ましいところだ」と指摘。「日本社会は色々なことが整然と、そして滑らかに動いているのが当たり前だと思い過ぎだと思う。流通に関しても、物がなかったり、人が足りなかったりすることに融通を利かせることがこの緊急事態に求められていると思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMAPrime』より)

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